宙畑 Sorabatake

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宇宙飛行ベンチャー・Intuitive Machines、SpaceXと月面着陸船の打ち上げ契約締結【週刊宇宙ビジネスニュース 9/30〜10/6】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

Intuitive Machines、着陸船の打ち上げをSpaceXと契約

10月2日、Intuitive Machinesは2021年に着陸船Nova-Cの打ち上げをFalcon9で実施する契約をSpaceXと締結したことを発表しました。

ヒューストンに拠点を置くIntuitive Machinesは、産業システムやドローン、宇宙船、宇宙服のモデリングおよびシミュレーションサービスを提供しています。

NASAが無人着陸機の開発と輸送を民間から公募した、CLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出され、同社はクレーター・嵐の大洋、または晴れの海へ2021年7月にペイロードを輸送することを提案しました。

Credit : Intuitive Machines

Nova-Cはおよそ100キログラムのペイロードを収容可能で、CLPSのミッションとなっているNASAの5つのペイロードを月の表面に輸送し、その後13.5日間の活動で収集した科学データを地球へと送信する構想です。

ともに選出された、AstroboticはUnited Launch Allianceによって2021年に打ち上げる予定であることを発表しています。また、当初選出企業の中で最も速い2020年9月の打ち上げを提案していたOrbitBeyondは、財政難のためにすでにプログラムを辞退しています。

2社による2021年の打ち上げに期待が膨らみます。

MaxarがDeployable Space Systemsと提携を発表

今年5月にNASAより月軌道上の宇宙ステーション・ゲートウェイの電力および推進系の構築を委託されているMaxar Technologiesは、太陽光発電アレイの製造を手掛けるDeployable Space Systems(以下、DSS)との契約締結を発表しました。

宙畑メモ

太陽光発電アレイとは、大きな電力を得られるように太陽光パネルを複数枚まとめたもの。

出典/参考:株式会社太陽住建

DSSは、2008年に設立された、太陽光発電アレイの大手メーカー。
同社は2017年に水平展開式太陽光発電アレイ(Roll Out Solar Allay、通称ROSA)の実験をISSで実施しました。ROSAとは、NASAが開発した太陽光発電アレイで、輸送時に負荷がかからない低重量かつコンパクトな設計がされています。

2017年にISSで実施されたROSAの実験の様子 Credit : NASA

さらに昨年2018年4月には、NASAのDouble Asteroid Redirection TestにてROSAの提供が決定しています。

今回の契約について同社社長のブライアン・スペンス氏は、「私たちの国とNASAの有人宇宙探査イニシアチブに貢献することはDSSにとって非常に重要です」「DSSがこの規模のプログラムに参加できるようになり、月と火星の探査を可能にする道が開かれたのはエキサイティングです。」とコメントしています。

ゲートウェイの構築の鍵となる、電力および推進系に関する好転的なニュースは、月に関連するプロジェクトをさらに盛り上げることでしょう。

今週の週刊宇宙ビジネスニュース

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参考文献

Intuitive Machines selects SpaceX to launch Nova-C to the Moon in 2021 on a Falcon 9 rocket.
Intuitive Machines secures launch contract, wins lawsuit

Maxar selects Deployable Space Systems to build solar arrays for Gateway’s Power and Propulsion Element
DSS TO PROVIDE ROSA SOLAR ARRAY FOR NASA’S DOUBLE ASTEROID REDIRECTION TEST (DART) MISSION
ROSA FLIGHT DEMONSTRATION HARDWARE SUCCESSFULLY DEPLOYS ON ISS
NASA tests flexible solar array on space station
太陽光パネルの「アレイ」とは何ですか?