衛星データ提供サービス、シリーズAで総額10億円を調達【週刊宇宙ビジネスニュース 12/30〜1/5】
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衛星データ提供サービス、シリーズAで総額10億円を調達
NASA・Planet・ESA・CSAなどの持つ衛星データ(地球観測データ)を利用しやすくするため、従量・買い切り等でAPIとして提供を行うカナダの企業、SkyWatch社がシリーズAを終了しました。総額で約10億円を調達したようです。
同社は、AWSや各々の機関等で提供されているオープンな衛星データであるSentinel-2やLandsat-8、MODISだけでなく、40cm〜5m程度の高分解能〜中分解能・可視光、85cm程度の高分解能SARデータをも取り扱っています。これらは韓国の衛星KOMPSATで取得したものなど、世界中の様々なリモートセンシング衛星とコラボレーションしてAPI(アプリケーションプログラムインターフェイス)として提供されます。今後、ハイパースペクトルデータも追加していく予定です。
シリーズAと並行して、同社はリモートセンシングオペレータ向けのサービス「TerraStream」もリリース。データ管理、操作、カタログ化、アーカイブ、およびタスク処理を行うためのソフトウェアを提供します。これにより、独自のソフトウェアシステムを構築することなく、リモートセンシング衛星を打ち上げてデータの処理を行うことができるようになり、衛星データ取得への参入障壁を下げることを目標としています。
昨年は中国アリババが衛星データプラットフォームに進出したり、日本でもTellusがリリースされたりと、利活用促進を仕掛ける動きが活発になる一方で、サービス提供までスピーディに順当に結び付けられないことにより、選択を迫られるケースも出始めています。
例えば、世界最高性能の光学衛星であるWorldViewシリーズを提供する人工衛星分野大手のMaxarは、多額の負債を軽減するために同社の宇宙ロボット関連子会社MDAを約830億円で売却することが決定。
通信コンステレーションサービス提供を目指していたAudacyは資金を調達できず倒産と、バブルの終焉を感じさせる大きなニュースが次々と飛び込んできています。今後もこのようなケースが続くことが予想されます。
いかに持続可能なサービスを生み出し、需要の波に乗せることができるかが、今後の宇宙サービス産業を生き抜く鍵となりそうです。
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