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NASA監査が指摘した、新型宇宙服開発の遅延20か月。2024年の有人月面着陸に暗雲【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/8/9〜8/15】
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8月10日、NASAの監察総監室(Office of Inspector General,通称OIG)は、次世代型宇宙服の開発が遅延している影響で、アルテミス計画の有人月面着陸を予定通り2024年に行うのは難しいのではないかと指摘した報告書を発表しました。
現在、ISSに滞在する宇宙飛行士が船外活動で使っている宇宙服は、45年前スペースシャトル計画の際に開発された船外活動装置に改修を加えたものです。NASAはそれに代わる次世代の宇宙服「Exploration Extravehicular Mobility Units (xEMU)」を2体製造することを2017年に決定しました。
ところが、報告書によると、資金の不足やCovid-19感染拡大の影響、技術的課題が重なり、開発に20カ月の遅れが出ていて、完成は早くても2025年4月になるということです。
新型宇宙服には2020年末までに4億2010万ドル(約460億円)の予算が使われていますが、アルテミス計画で使用する2体のxEMUを製造するには、さらに6億2520万ドル(約690億円)が必要になる見込みで、開発にかかる総額は10億ドルを超えます。
また、宇宙飛行士を輸送するSLSロケットやオリオン宇宙船の開発状況、さらにはBlue OriginとDyneticsによる無人月着陸船開発契約をめぐる抗議が、月面有人着陸のスケジュールに影響するだろうと報告書で指摘されています。
アルテミス計画においても、選択と集中が迫られているようです。
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