時計メーカーOMEGAとスイスのデブリ除去ベンチャーClearSpaceが提携【宇宙ビジネスニュース】
【2022年1月31日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
スイスのスタートアップ企業ClearSpaceのスペースデブリの除去ミッションに、スイスの時計メーカーOMEGA(オメガ)がパートナー企業として参画することが発表されました。
オメガの腕時計はアポロ計画で月面に降り立った宇宙飛行士が使っていたことが知られています。オメガのCEOであるRaynald Aeschlimann(レイナルド・アッシェリマン)氏は、ClearSpaceとのパートナーシップ締結を
「宇宙探査と地球保全の長い歴史を持つブランドにとって、次の論理的なステップ」
だとコメントしています。オメガはどのような形でClearSpaceのミッションに参画するのかは明らかになっていません。
ClearSpaceは、スペースデブリの捕獲・除去技術の研究開発を行うスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)からスピンオフし、2017年に設立したベンチャー企業です。
宇宙空間に残っているVegaロケットのペイロードアダプタを回収するミッション「ClearSpace-1」を2025年に実施する計画を2021年12月に発表しています。
また、2021年10月には、イギリス宇宙庁と国連宇宙局(UNOOSA)が共同で実施する、スペースデブリ除去に関する研究プログラムに、日本のアストロスケールとともに選出されています。
ClearSpaceは引き続き、スイス国内外を問わずパートナー企業を探す方針です。
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参考
OMEGA Joins ClearSpace to Clean Up Space
ESA BIC supports company leading first space debris removal mission