3Dプリンターでロケットを製造するRelativity SpaceがNASAのステニス宇宙センターの設備拡張へ。州は雇用増大を期待【宇宙ビジネスニュース】
【2022年10月24日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
10月18日、ロケットを3Dプリンターで製造することを目指すスタートアップ企業Relativity Spaceは、NASAとの合意のもとミシシッピ州南部にあるステニス宇宙センターのインフラを拡張し、施設を運用していく計画を発表しました。
また、この取り組みをミシシッピ州開発局が支援するとのことです。
ステニス宇宙センターは、1965年に建設されたアメリカ最大級のロケットエンジン試験施設で、サターンVロケットやスペースシャトル、アルテミス計画で使用されるSLSロケットの開発を支えてきました。同センターは、NASAの宇宙センターのなかでは2番目に大きく、138,000エーカー(約560平方km)以上の広さを誇ります。
Relativity Spaceは、ロケットのエンジンテストスタンドやオフィスビルなどを建設する計画です。このエンジンテストスタンドは、2024年の初打ち上げを目指してRelativity Spaceが開発中の新型ロケット「Terran R」のエンジン開発に使用される見込みです。
現在は、新設備の建設に向けて、整地工事を行っているところだといいます。
ミシシッピ州から選出された上院議員のロジャー・ウィッカー氏は、
「今回の(ステニス宇宙センターの)拡張は、ミシシッピ州の航空宇宙産業の中心地としての未来が明るいことを証明するものです。Relativity Space社の継続的な成長と、私たちの州に質の高い雇用をもたらす取り組みに祝意を表します」
とコメントし、州内の雇用拡大への期待を語っています。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
OneWebがRelativity Spaceと打ち上げ契約を締結。世界が注目する3Dプリンターロケットの魅力とは?【宇宙ビジネスニュース】
Relativity Spaceが新型ロケットTerran Rを発表!3Dプリンターで作る完全再使用型ロケット【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/6/7〜6/13】
今週の宇宙ニュース
衛星データや航空写真で水域のゴミ集積地検出を目指す。解析コンテスト運営のSolafuneと岡山市が共同で【宇宙ビジネスニュース】
航空機内Wi-fiが高速に!? 機内エンターテインメントを提供するパナソニックアビオニクスがOneWebと提供【宇宙ビジネスニュース】
JR西日本の鉄道設備のメンテナンス技術を宇宙に転用!? JAXAが衛星の故障や異常兆候を検知するAI開発に挑戦【宇宙ビジネスニュース】
参考
Relativity Space Announces Plans to Expand Facilities at NASA’s Stennis Space Center