宙畑 Sorabatake

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3Dプリンターロケットを開発するRelativity Space、大型ロケットの開発に注力へ。搭載重量も拡大。26年に打ち上げ【宇宙ビジネスニュース】

【2023年4月30日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

3Dプリント技術でロケットの部品の大部分を製造することで低コストのロケット開発を目指すRelativity Spaceが事業転換を打ち出しました。

Relativity Spaceは3月22日(日本時間23日)に同社初の衛星打ち上げ用の小型ロケット「Terran 1」の打ち上げに挑みました。第一段エンジンは計画通りに機能したものの、第二段エンジンが着火せず、打ち上げは失敗。しかし、マックスQ(気圏内で動圧が最大になる最大動圧点)の通過を達成しました。

Terran 1の打ち上げから3週間後の4月12日に、Relativity Spaceは新型ロケット「Terran R」の開発と製造に注力する方針を発表しました。Terran Rは、Relativity Spaceが2021年6月に実施したシリーズCラウンドの資金調達と同時に構想を発表した完全再使用型の大型ロケットです。

市場からの需要に応えるために、Relativity Space は当初は20,000kgだったTerran Rによる地球低軌道へ投入可能なペイロードの搭載重量を、第一段エンジンを回収した場合は23,500kgに拡大することを発表。また、2024年に予定されていた初打ち上げは2026年に後ろ倒しされます。

Relativity Spaceの共同設立者兼CEOのティム・エリス氏は

「私たちの会社としての第1章は、3Dプリントロケットが実現可能であることを世界に証明することでした。私たちの第2章は、Terran Rで次の偉大なロケット会社を作ることです」

と述べています。

Relativity Spaceは、通信衛星コンステレーションを構築するOneWebをはじめとする7社と総額16億5000万ドル以上の打ち上げ契約を獲得するなど、市場からの期待も高いことがうかがえます。Terran Rの開発動向にますます注目が集まりそうです。

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参考

RELATIVITY SPACE SHARES UPDATED GO-TO-MARKET APPROACH FOR TERRAN R, TAKING AIM AT MEDIUM TO HEAVY PAYLOAD CATEGORY WITH NEXT-GENERATION ROCKET

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