QPS研究所の新研究開発拠点が11月から稼働へ。衛星の量産体制を強化【宇宙ビジネスニュース】
【2024年11月6日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
QPS研究所は10月28日、福岡市近郊エリアに新しく完成する開発拠点「Q-SIP(キューシップ)」が11月から稼働を開始し、2025年1月以降に全ての移設を終え、新拠点で本格稼働となる予定であることを報告しました。
QPS研究所は福岡市が公募を実施した旧産学官連携施設の貸受候補者として選定され、一棟貸し施設に新たな研究開発拠点を作る計画を2月に発表していました。しかし、衛星の研究開発や一部製造を行う施設へとリノベーションを行うために、必要となる各設備の専門家とともに更なる現地調査を進めたところ、事前調査では確認することが難しかった課題が見つかり、本格稼働時期が当初の計画よりも遅れる懸念が出てきました。
そのため、今後さらに工場を拡充するために検討していた候補地を前倒しして、新たに福岡市近郊エリアに先に拠点を設けることになったということです。
Q-SIPは、現在の工場の10倍以上の面積で約4500㎡のワンフロアとなり、全ての製造関連装置・設備が設置されます。現在は、設備の移設工事、クリーンルーム、執務スペース施工が行われています。
開発部ハードウェア開発課 課長の福田 大さんは、Q-SIPについて衛星の全ての製造工程を一貫して実施できることや立地の良さが効率化につながると説明しています。
「試験設備も充実させ、ここで組立を始めて出荷されるまで、外部での試験のために衛星に負荷の掛かる移動を繰り返す必要もなくなります。また、公共交通機関や幹線道路が周辺に整っているので、どの手段でも福岡市中心部からのアクセスが容易な立地のため、パートナー企業の皆さまとの協力体制もより効率化されることが期待できます」
QPS研究所は、今後も研究開発拠点の施設や機能を拡充し、スピード感をもって衛星の量産体制を整え、事業の拡大をしていきたい考えです。