「平成」のできごとを衛星データで振り返ってみた
平成31年間でのできごとを人工衛星の画像で振り返ってみました。「令和」では宇宙の視点で地球を見るのが当たり前の時代になるかもしれません。
平成が終わり、いよいよ令和になりました。
元号が変わるこのタイミングで「こんなことあったなぁ」と振り返ってみる人も多いのではないでしょうか?
そこで、平成31年を宙畑らしく人工衛星を使って振り返ってみようと思います。
(1)平成のできごと日本編 厳選4選
・東日本大震災 2011
災害の被害状況は人工衛星で見ることができることの1つです。しかし、起きた直後だけではなく、その後の変化まで見ていくと、復興の様子まで見て取れることができます。
GoogleEarthEngineのタイムラプスで年ごとの変化を見てみましょう。
JAXAの人工衛星「だいち」によって災害前後の変化が観測されていました。その後、「だいち」は機能停止し役目を終えますが、2014年に打ち上げられた「だいち2号」に災害による地表の変化を詳細に観測する役割は受け継がれています。
・熊本地震 2016
・雲仙普賢岳 噴火 1991
1991年に噴火した雲仙普賢岳の様子。火山流がどこに流れていったのかもよくわかります。
こちらもGoogleEarthEngineのタイムラプスでみましょう。
・羽田空港国際線ターミナル開業 2010
羽田空港の滑走路ができていく様子を宇宙から見ることができます。
羽田空港以外にも、ディズニーシーやUSJといった大型テーマパークができるなど、平成30年の間にいろいろな施設ができました。
みなさんが行ったことがある場所の移り変わりを人工衛星で見てみるのはいかがでしょうか?
(2)平成のできごと世界編 厳選3選
・ベルリンの壁崩壊 1989 元年
ちょっとわかりにくいかと思いますが、ドイツのベルリンの壁が崩壊する前後の画像です。地図などと良く見比べてみるとなんとなく壁のラインが見えてくるかと思います。
地上からは大きな壁も、宇宙から見たらなんとかみえるくらいのちっぽけなものだったといえるかもしれません。
・911世界貿易センタービル 2001
当時の様子をNASAの衛星で観測されていたようです。事件の前後の観測画像からはビルが消えて平らになっていることもわかります。
・ハリケーンカトリーナ 2005
以下の画像はアメリカで甚大な被害をもたらしたハリケーンカトリーナの降水分布を立体的に表した画像です。TRMMというNASAとJAXAの共同開発の衛星で観測しています。
降水分布のほかにも、ハリケーンや台風が巨大化につながった海面温度などの気象条件も人工衛星で捉えていることが以下のJAXAのページなどで分かります。
(3)まとめ
衛星データで平成の出来事を振り返ってみました。
Landsatのように人工衛星による地球の観測データが蓄積できるようになったのもここ30年くらいです。衛星データの利用創成期といってもいいかもしれません。
令和では、この衛星データが当たりまえに使うようになる時代になるのではないでしょうか。
どんな出来事がおき、写真などで記録が残っていくと思いますが、記録方法の一つに衛星データも含まれていくかもしれません。
また、平成から令和に持ち越された課題として地球温暖化に代表される持続可能な開発目標(SDGs)があります。上記にあげたようなニュースに取り上げ切れていない地球の変化が起きていることも見逃さないようにしなくてはいけません。
みなさんも宇宙からの視点で平成を振り返り、令和では何ができるか何をするべきかを考えてみるというのはいかがでしょうか。