宇宙強国なるか?中国の宇宙開発の今~ロケット、衛星、探査計画、予算~
近年、質・量ともにパワーアップしている印象のある中国の宇宙開発について、中国語文献含めた徹底調査でまとめました!
2019年、ロケットの打上げ数が一番多かった国はどこだと思いますか?
アメリカやロシアを頭に浮かべる方が多いかもしれません。しかし、2019年、ロケットの打ち上げ成功数が最も多かったのは中国でした。
昨年、中国は32機のロケットを打ち上げました。対するアメリカは21機、ロシアは25機です。アメリカとロシアが長年リードしてきた宇宙開発分野に、新たな勢力が現れています。
また、中国の宇宙開発というと政府が強力に推し進めているイメージが強いですが、中国政府は政府機関だけではなく、民間企業に対しても積極的に支援をしています。具体的には、2015年から2018年までの間だけでも約60社の民間企業が設立しています。
日本の隣国である中国は、なぜ成長を続けているのでしょうか?本記事では中国の宇宙開発について詳しくお伝えします。
(1)中国の宇宙開発の歴史
まずは中国の宇宙開発の歴史からご紹介します。
世界最初のロケット?「火箭」
中国の宇宙開発の歴史は1000年以上も前から始まります。それが、人類最初のロケットと語られることも多い「ワンフーの物語」です。
10世紀、人類歴史上初の火薬が中国で発明されました。
それは当初、「火箭」と呼ばれる火矢という戦争武器として使われていました。
中国に伝わる伝説によると、14世紀初頭、ワン・フー(万戸)は、人間が空を飛べるとずっと信じていました。彼はそれを証明するために「火箭」と呼ばれる火薬を用意して、椅子につけ、空を飛ぼうとしたのです。
しかし、残念ながらロケットを点火して発射したあと、空中で大爆発が起き、ワン・フーの体は跡形もなく吹き飛ばされてしまいました。
中国ではこのロケットが世界最初のロケットと考えられています。中国語で、「火箭」は、火矢という意味を持っていますが、今日では「ロケット」という意味で使用されています。
彼の挑戦への敬意を表すために、月の裏には彼の名を冠した「ワン・フー」というクレータがあります。
中国初の人工衛星とロケット
ワン・フーの物語から約1000年が経過し、現在の形の「ロケット」が中国で初めて打ち上げられたのは1970年のことです。
1956年、アメリカから戻った研究者銭学森(セン・ガクシン)は、中国独自のロケットと人工衛星開発の必要性を党に訴えました。訴えは受け入れられ、ソ連の支援の上で当時の国家主席毛沢東(モウ・タクトウ)は中国独自のロケットと人工衛星を作ることを決断。この時、核兵器とミサイル(両弾)の開発も同時に決定され、この政策は「両弾一星」政策と呼ばれました。
その後にソ連との関係が悪化し、ロケット開発の支援が得られなくなり、中国単独で作らなければならなくなるといった苦労もありましたが、1970年に中国初の人工衛星「東方紅一号」が打ち上げられました。
日本が日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げてから約2ヶ月後、世界で5番目の人工衛星打ち上げ国になったのです。通信機器を搭載し、毛主席が好きな歌「東方紅」を宇宙から配信しました。
そして、「東方紅一号」を載せていたのが中国初のロケット「長征1号」でした。
長征ロケットと衛星の開発を主導した銭学森(セン・ガクシン)は高い評価を受け、「中国宇宙開発の父」「ロケット王」と呼ばれています。
世界トップクラスの宇宙大国へ
初号機の打ち上げに成功した後、中国が長征ロケットの改良を進めていた頃、同じ時期に世界的に宇宙産業を揺るがす事故が起こりました。
それは、1986年にアメリカで起こったスペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故です。
アメリカは事故の原因究明に注力し、ロケットの商業打ち上げ市場への参入が遅れることとなりました。中国はこれをチャンスと見て、国際ロケット市場に参入たのです。
1990年4月7日、長征3号がアメリカの衛星製造会社ヒューズ・エアクラフト社の衛星を軌道に投入して、中国の商業打ち上げサービスをスタートさせます。
しかし、1999年にアメリカで出された「中国の軍事/商業的懸念とアメリカの安全保障」というレポートの中で、アメリカの衛星製造会社が中国のロケットで衛星を打ち上げる際に、衛星技術を中国に流出させたことを指摘しました。
これをきっかけとしてアメリカは衛星を輸出管理上の武器リストに定め、武器と同様、ITARと呼ばれる輸出管理制約の対象としました。
これにより事実上、中国のロケットではアメリカ製の衛星を打ち上げることはできなくなり、アメリカ製の部品を含む日本や欧州などの外国製の衛星も中国のロケットでは打ち上げられない仕組みができたのです。その結果、中国は独自の宇宙開発路線を進むことになります。
世界の商用ロケット打ち上げ市場からは距離を置くことになった中国ですが、2018年にはロケットの打ち上げ数でアメリカを抜き中国がトップになりました。
また、2000年代後半にはナイジェリア、ベネズエラ、ボリビア、インドネシアと協定を結び、きわめて安い価格で通信衛星を製造し打ち上げる契約を締結。資源国との関係を強化するため、資源外交に宇宙を利用しているのです。
(2)中国で進められる宇宙計画
このようにして始まった中国の宇宙開発ですが、現在も様々な機関で多岐にわたるプロジェクトが進められています。とても一つの国が実施しているとは思えない量とスピードです。
中国宇宙開発機関CNSAと開発の主体CASC
アメリカの宇宙機関であるNASAとは違い、 中国宇宙開発機関(以下、CNSA)は行政機関のため、権限は主に政策の制定と監督のみです。実際に長征ロケットを開発しているのは、1999年に設立した国有企業「中国航天科技集団(CASC)」です。このような組織構造は中国の宇宙開発予算を推測しにくくさせています。
<政府機関>
略称 | 説明 | |||
国務院 | 日本の内閣に相当する組織 | |||
工業・情報化部 | MIIT | 工業、情報通信、新材料、航空、宇宙などに関する産業を主管する。日本の省庁の経済産業省と総務省の一部相当 | ||
国家航天局 | CNSA | 中国の宇宙活動全般を統括。中国を代表して外国や国際機関との協力・調整を行う。中国の宇宙白書を刊行。
トップがSASTINDのトップを兼務、実質SASTINDの内部組織 |
||
国家国防科技工業局 | SASTIND | 原子力、航空、宇宙、通常兵器、船舶、電子などの国防先端技術産業を主管。次表で紹介する国営企業を傘下に持つ。 | ||
中国科学院 | CAS | 研究開発機関 | ||
国家宇宙科学センター | NSSC | 中国の宇宙科学、人工衛星学などの全般的な科学技術研究の基盤的組織 | ||
宇宙利用工学技術センター | CSU | 有人宇宙飛行における科学技術利用に監視、計画、実施、普及利用などの業務を行っている機関 | ||
リモートセンシング・デジタル地球研究所 | RADI | 人工衛星や航空機を用いたリモートセンシングによる地球観測技術の開発や、リモートセンシングなどで得られるデジタル情報を用いた地球学の研究を行う研究所 | ||
力学研究所 | IM | 地上での微小重力実験を実施、高温気体力学の研究 | ||
国家天文台 | NAOC | 中国天文学の総本山 | ||
人民解放軍 | ||||
人民解放軍・戦略支援部隊 | 宇宙、サイバー空間、無人機など現代戦に不可欠な分野の後方支援部隊 | |||
航天系統部 | ロケットの打ち上げ、衛星等の追跡管制、宇宙関連研究開発、宇宙飛行士の養成訓練 | |||
人民解放軍航天員大隊 | 宇宙飛行士部隊 |
<国営企業>
略称 | 説明 | ||
中国航天科技集団有限公司 | CASC | 中国の宇宙開発計画における中心企業。
打ち上げロケット、人工衛星、宇宙船などの設計・開発および製造を行うとともに、ミサイルシステム、地上機器などの国防関連機器の設計・開発及び製造も行っている。 |
|
中国運載火箭技術研究院 | CALT | ミサイルとロケットの研究、開発、設計、試作、生産 | |
航天動力技術研究院(正式名称:中国航天科技第四研究院) | 固体燃料ロケット・エンジンの研究・開発。ロケットとミサイルに使用される70余種の固体エンジンを開発 | ||
中国空間技術研究院 | CAST | 宇宙技術開発や人工衛星などの宇宙装置の設計開発
有人宇宙船神舟、航行測位衛星北斗月、探査機嫦娥などを製造 |
|
航天推進技術研究院 | 大型液体ロケット・エンジンの研究から開発・生産・試験までを行う | ||
上海航天技術研究院(正式名称:中国航天科技第八研究院) | SAST | ロケットや人工衛星の開発、特にロケット長征6号シリーズの開発を実施 | |
中国衛星通信集団有限公司 | China Satcom | 15機の静止通信衛星を所有し、中国全土、オーストラリア、東南アジア、中東、欧州、アフリカなどをサービスエリアとして、固定局間通信、移動体衛星通信、テレビ放送などを行っている。 | |
中国長城工業集団有限公司 | CGWIC | 中国の商用衛星打ち上げサービスの参入を目指す | |
中国航天科工集団有限公司 | CASIC | 国防産業の科学技術の中核として、国防ミサイルシステム、固体ロケット、宇宙関連装備品の開発を行う企業 | |
中国航天科工信息技術研究院 | 小型衛星や衛星の応用技術、特にGPS(全地球測位システム) | ||
中国航天科工防御技術研究院 | 宇宙飛行物体のコントロール、制御、追跡関連設備、その他測量、地上設備等の研究・開発を行っている。 | ||
中国航天科工飛行技術研究院 | ミサイルの研究、設計、製造 | ||
中国航天科工動力技術研究院 | 50種類の戦略・戦術ミサイルやロケットの固体エンジンを製造 |
中国のロケット
繰り返しになりますが、1970年に「長征1号」で衛星の打ち上げに成功して以来、中国では、衛星のサイズや軌道に合わせて、複数のシリーズで独自のロケット開発を進めています。運用されているロケットは現在6種類です。
2018年には初めて年間のロケット打ち上げ数でアメリカを抜き、世界トップとなりました。
中国にとって、「長征5号」は現在一番重要なロケットといっても過言ではありません。2018年に初めて打ち上げられた「長征5号」は残念ながら失敗してしまいましたが、翌年2019年12月に再び打ち上げ、見事成功させました。「長征5号」は、「長征5号」は「嫦娥5号」「有人宇宙船」「通信衛星実践二十号」、この三つの衛星を打ち上げる役目を担います。
「長征5号」は大型化を目指していますが、一方で小型ロケットの開発も進めています。「長征11号」は2019年、赤道周辺の海上から打ち上げました。
中国の人工衛星
1970年に中国初の人工衛星を打ち上げたことを皮切りに、様々な衛星を開発・運用しています。
地球観測衛星では、遥感シリーズやCBERSと資源シリーズが、通信衛星では実践20号で、高容量通信技術を目指し、5~15年の通信とリモートセンシングプラットフォームを担うと言われています。
測位衛星もまた、中国は独自の測位衛星システム「北斗衛星測位システム」を開発しています。
システムの構築はほぼ完了し、残っている約2機の衛星も今年すべて打ち上げる予定です。
他にも、中国初のリモートセンシングビックデータクラウド”SIWEI earth”も始動しています。
10PB規模の地球観測データを収録できるストレージや、2時間で20TBのデータを処理できるほどのプロセッシングを用意しているそうです。
政府との関係は明言されていませんが、”SIWEI earth”は直接スマートシティプラットフォームと接続するなどとされており、政府系に利活用が進められていくのではないかと考えられます。
通信衛星についても中国はユニークな衛星を打ち上げています。
1905年に様々な量子力学に関する発表が行われてから100年以上、2016年に量子通信衛星「墨子号」を中国が世界で初めて打ち上げました。
量子通信とは、暗号化されたメッセージを送って、セキュリティーを向上させる通信手段です。
「墨子号」は、量子通信の実現だけでなく、様々な量子力学の検証と研究も行っています。広域量子通信、遠距離量子もつれの検証と量子テレポーテーション(遠く離れた量子の状態を変換する技術)の研究も行っています。
公共サービスと安全保障に役立つと言われている量子通信ですが、民間利用では、不正行為に利用される恐れがあり、法整備などが必要です。
中国の有人宇宙開発
有人宇宙船技術を有する国は世界で三か国、アメリカ、ロシアと中国だけです。
1992年4月に中国独自の有人宇宙計画がスタートしました。アメリカが開発を進めていたスペースシャトルような往還機は非常に複雑な技術であり、ソ連型のソユーズ方式を宇宙船として選択しました。
中国はソ連崩壊後の混乱期にソ連と交渉し、ソユーズ宇宙船の技術提供を受けることに成功。独自の様々な工夫も凝らし、1999年、有人宇宙船を試験する「神舟1号」(無人)の打ち上げに成功しました。
神舟は昔の中国の名前「神州」と同じ発音をもっていて、中国人の希望を打ち上げ、宇宙に揺られる船という意味です。
これまでの天宮1号、天宮2号の実績を踏まえ、2020年から中国独自の宇宙ステーション「天宮宇宙ステーション」が軌道上で組み立て始められます。
天空のコアとなるモジュールが「天和」であり、2つの実験モジュールが追加されて完成します。完成は2022年を予定しているとのこと。
天宮号宇宙ステーションでは宇宙飛行士の中期滞在、宇宙船のドッキングなどの研究を行う予定です。
中国の月探査計画
中国にとって宇宙科学の最初の大型プロジェクトである月面探査計画「 嫦娥計画」は21世紀で最も野心的な宇宙探査計画の一つです。
「嫦娥」は神話に出てくる仙女の名前で、元は9つの太陽を射られた男、后羿の妻です。夫の部屋にあった不老不死の薬を盗んで食べ、月へ行ってしまいました。その後、ずっと月面に暮らしています。このことから、中国では、月の象徴と言われています。「嫦娥」のような、月へ向かって、月面を滞在するとの意味を含めています。
2003年3月に開始された嫦娥計画は、大きく探査計画、着陸計画、滞在計画の3段階に分かれていて、現在は第一段階である探査計画を遂行中で、探査機の着陸の段階まで進んでいます。
2007年に嫦娥一号を打ち上げ、中国の月面計画の幕が開きました。2020年に打ち上げられる予定の「嫦娥五号」は月面探査を行い、月面のサンプルを持ち帰る予定です。
第一段階の探査計画の後に予定されている着陸計画と滞在計画は有人による計画であり、着陸計画は宇宙飛行士を月面に着陸させ各種実験計画を行うもので、滞在計画は月面基地の建設も予定しています。
中国は2020年から月だけでなく、火星の探査も始める計画です。
中国の今後の宇宙開発計画
2016年に、中国政府は10年後に宇宙開発大国を目指す白書「2016中国的航天」を発表し、2011年から6年間宇宙技術の発展を見返し、未来五年内各領域の目標を示しました。
2016中国的航天
目標:
1. 宇宙輸送システム
無害な燃料を使った中型輸送ロケット、大型輸送ロケットのエンジン技術、再利用できる輸送ロケットの開発。
2. 衛星と宇宙インフラ
リモートセンシング向けのセンサ、衛星通信システム、ナビゲーションシステムの拡充。
3. 有人宇宙技術
天宮号宇宙ステーションと有人月面探査任務の技術開発。
4. 深宇宙探査
月の探査ミッションにとどまらない、中国初の火星探査ミッションの実現。
5. 射場の設立と改善
現存の射場システムの補完。
6. リモートセンシング技術の開発
リモートセンシング技術の基礎と運用の完備。
7. 宇宙技術の応用
社会インフラで衛星データ利用、「スマートシティ」の設立、東部の開発が遅れている地域の開発、国民の暮らしの改善。
8. 宇宙科学の研究
暗黒物質の探査、宇宙空間での実験、量子科学の研究、宇宙気象の監視。
9. 宇宙環境の利用
宇宙空間のデブリ除去、隕石警備システムなど環境監視システムの設立。
10. 国際交流と連携
(3)ベールに包まれる中国の宇宙開発予算
では、 躍進を続ける中国の宇宙予算はどれほどなのでしょうか?
残念ながら、政府からの詳しい情報は一切公開されていません。宇宙開発は軍事機密と切っても切れない関係があるためです。
中国国内では宇宙開発にかける予算は実は日本より少ないのではという推測もありますが、一般的に考えれば、アメリカと日本の間くらいではないかと考えられます。
GDPがアメリカの約70%である中国ですが、宇宙開発の予算はアメリカと比較して少ないのではないかという議論が中国国内で最近行われています。
しかし、「2016中国的航天」の発表で、宇宙開発に投入する資金もこれからだんだん増えていくという予想もされています。
(4)躍進する民間宇宙ビジネス
民間による宇宙ビジネス事情
2019年現在、中国では約60社の宇宙関連企業が立ち上げられています。
2015年前、宇宙産業は政府の産業だったので、民間の宇宙産業進出は一切禁止されていましたが、、2015年に「中国製造2025」という政策が発表され、民間にもロケットの開発が許可されました。その後、民間からの投資も解禁され、ロケット・衛星利用に関連するスタートアップが爆発的に増えています。
民間宇宙政策の改正
2014年
国務院:通信衛星とリモートセンシングの開発、インフラ、打ち上げ、保守運用など民間投資の促進のため、政策で支援。
2015年
国家発改委:衛星開発について民間企業の参入を支援。
国務院:宇宙産業は「中国製造2025」の重点の一つとして、宇宙技術の研究と応用を推進。
2016年
国务院新闻办公室:「2016中国的航天」白書で重点産業の発展と目標を示す。
2018年に西安で行われた「民間宇宙企業TOP30」というイベントでは、30社の宇宙スタートアップが選ばれました。シルクロードの始点、古都西安で行われた理由は、宇宙産業がシルクロードのように、新たな宝を中国にもたらすことを期待しているからだそうです。
ロケット製造会社 ~One Space, LandSpace, i-space~
その中で、上半期に3000万ドルの融資を受けたロケット製造会社、零壹空間(One Space)は2018年5月に自主製造のロケットの打ち上げに成功しました。
その零壹空間の競争相手、蓝箭航天(LandSpace)も、2020年にZQ-2中型液体ロケットを打ち上げる予定です。
中国のロケットベンチャーの中で最も若い会社、星际荣耀(i-space)は急速に成長しています。日本のispaceと同じ名前を持つ星际荣耀は、2018年9月に酒泉射場で商業ロケット打ち上げに成功しました。
翎客航天(LinkSpace)は2019年8月に、三回連続で再利用できるロケットを打ち上げ、コストを大幅に下げるロケットを目指しています。
衛星製造会社
「国星宇航」は若く、とても発展しているスタートアップ企業です。2018年12月に軌道上にAI衛星を投入することに成功しました。宇宙と地域の結合を目指す国星宇航は、2021年前に192機の小型衛星を打ち上げを考えています。
零重力实验室(ZeorG Lab)は2025年、対地観測用の衛星を132機を打ち上げる予定です。2019年7月に「HECATE-1」試験衛星を軌道に投入しました。
衛星サービス会社
「珈和农情(JiaHe Info)」はリモートセンシングを利用する企業です。中国農業の利用範囲は広く、常に災害に見舞われています。珈和农情はビッグデータと人工知能によって衛星画像を解析して、古くからの産業を支援しています。このモデルは民間宇宙産業の基盤と考えられています。
上記で紹介した企業だけでなく、衛星群(コンステレーション)を運用するプロジェクトは中国でも数多くあります。中国のブログで以下のようにまとめられています。
(5) まとめ
2019年末時点で、中国のロケット打ち上げ数はアメリカ、ロシアを押さえて第一位となっています。
ロケットや衛星、有人宇宙飛行、月面探査などそれぞれを詳しく見ていくと、その物量の多さとスピード感は他の国と比較して目を見張るものがあります。
加えて、ステレオタイプな中国の印象と反して、意外な印象を持つのは非常に慎重に宇宙開発を進める姿勢です。有人宇宙飛行を例にとると、人型のダミー装置を載せて複数回飛行したのちに初めて実際に人を載せて飛ばしているなど、アメリカやロシアの宇宙開発にはない特徴も垣間見えてきました。
圧倒的なリソースと、慎重に宇宙開発を進める姿勢が中国の宇宙開発の躍進を支えているのでしょう。
さらに、世界的な動きと同様に、これまでの政府主導の宇宙開発から、民間企業への移行も進んでいます。宇宙ベンチャーが続々と出てきて、コストも徐々に下がってきています。政府間では制約のあった国際協力も民間企業の参入により、より自由に広がって行くものと思われます。
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参考文献
中国の宇宙開発 中国は米国やロシアにどの程度近づいたか/国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター林幸秀、アドスリー、2019
宇宙開発と国際政治/鈴木一人、岩波オンデマンドブックス2011初版
陸航太局:2020年火星探測、2030年載人登月/聯合新聞網
《2016中国的航天》白皮书(全文)/中华人民共和国国务院新闻办公室
一文盘点中国商业航天:民营火箭面临两大瓶颈、三大趋势/TMTPOST
Land Space Technology Corporation Ltd.
如何评价国内的零一、蓝箭、翎客、驭龙、星际荣耀、神州五行、星图探索这几家商业航天公司?/知乎
Beijing Interstellar Glory Space Technology Co., Ltd.
2018商业航天30强丨珈和农情遥感,让卫星数据服务传统农业/亿欧
长征五号 • 实践二十号 • 长征五号恢复发射(一发定全局,国之重器,强国标志,保成功是集团公司和院的政治任务) • 发射成功/航天愛好者网
長征11号 海上から宇宙へ―中国のロケット打ち上げ技術の向上をアピール
如何看待2019年12月16日我国北斗三号系统一箭双星(52、53颗星)成功入轨,核心星座部署完成?/知乎