ニュース 2020/2/17

Virgin Galacticが飛行試験に成功。待望の宇宙旅行まで秒読みか【週刊宇宙ビジネスニュース 2/10〜2/16】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新！

Virgin Galacticが飛行試験に成功

2月13日、初の民間宇宙旅行を目指すVirgin Galactic（ヴァージン・ギャランティック）社が最終段階にあたる試験飛行に成功しました。

今回の試験飛行は、SpaceShipTwoを同社の生産開発拠点があるカリフォルニア州から、スペースポート（宇宙港）があるニューメキシコ州まで、およそ3時間にわたって飛行させるというもの。地上では難しいとされる高高度かつ低温な環境で、実際の宇宙旅行の際よりも長い時間評価ができるため、飛行テスト計画の中でも重要な要素でした。

これに対して、ニューメキシコ州のミシェル・ルハン・グリシャム知事は「ニューメキシコは、商業宇宙飛行分野における世界を代表する発射台になるでしょう」とコメントしており、州からも歓迎されている様子が伝わります。

世界を代表する億万長者であるリチャード・ブランソン氏が設立したVirgin Galacticは、2019年10月にニューヨーク証券取引所への一般株式公開を果たしました。試験飛行成功の影響か、株価は21%上昇し時価総額は6000億円を記録しました。

ICEYE社が米国オフィスを開設

2月13日、フィンランドに拠点を置くスタートアップ企業・ICEYE（アイサイ）社が、新たに米国・サンフランシスコに拠点を開設したことを発表しました。

同社は、衛星コンステレーションの構築を目指しながら、衛星画像の商用販売や衛星画像を活用したソリューションを販売しています。

ICEYE USのCEOを務めるのは、Solstar Space Co.の共同創業者であり、Blue OriginやNASAと提携した、衛星コンステレーション構築にも携わった実績を持つ、マーク・マトシアン博士。同氏はGoogle在職中に、地球観測衛星Terra Bella(後にPlanet社に売却し、SkySatと改められる)を含む宇宙関連プログラムを管理する立場にいました。ICEYEのCEO兼共同創業者であるラファウ・モゼレフスキ氏は、「マトシアン氏の専門知識は、お客様のニーズを満たすためにより高い品質とより速い技術能力を構築するのをサポートするでしょう」と評価しています。

米国拠点開設に際し、現地で優秀な人材をどのように囲い込むのかといった戦略も、今後の成長の決め手となるでしょう。

同氏はGoogle在職中に、地球観測衛星Terra Bella(後にPlanet社に売却し、SkySatと改められる)を含む宇宙関連プログラムを管理する立場にいました。ICEYEのCEO兼共同創業者であるラファウ・モゼレフスキ氏は、「マトシアン氏の専門知識は、お客様のニーズを満たすためにより高い品質とより速い技術能力を構築するのをサポートするでしょう」と評価しています。

米国拠点開設に際し、現地で優秀な人材をどのように囲い込むのかといった戦略も、今後の成長の決め手となるでしょう。

Rocket Labが月軌道への衛星投入ミッションを受注

2月14日、米国のベンチャー企業・Rocket Lab（ロケット・ラボ）社は、NASAが進めるアルテミス計画の一環である小型衛星の月軌道への投入ミッションのプロバイダーに、選出されたことを発表しました。

Rocket Labによると、同社が開発しているPhotonを利用し、コロラド州に本拠地を置く、Advanced Space（アドバンスド・スペース）社が製造した超小型衛星「CAPSTONE」を2021年初頭に打ち上げる予定。Photonは軌道上で小型衛星を長距離輸送することを目的としたものです。

CAPSTONEのミッションでは、NASAが構築しようとしている月軌道ゲートウェイで利用予定のハロー軌道(Near Rectilinear Halo Orbit (NRHO))へと先行して軌道投入し、軌道設計の妥当性を検証しようとしています。打ち上げ後、ハロー軌道に遷移するまでおよそ3カ月かかり、軌道上での航法を理解するために6カ月間の実証実験を行う見込みです。

Rocket LabのCEO兼創設者のペーター・ベック氏は、「小型衛星の低地球軌道を解放したのと同じように、研究と探査を可能とするために月を手の届く場所まで持ってこれたことを誇りに思っています」とコメントしています。

本ミッションには、科学面でも多くの注目が集まりそうです。