宙畑 Sorabatake

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中国が本格的な火星探査に挑戦【週刊宇宙ビジネスニュース 7/20〜7/26】

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中国の火星探査機「天間1号」が打ち上げ成功

中国航天科技集団(CASC)が7月23日に、火星探査機「天間1号」を搭載した長征5号の打ち上げを実施し成功しました。天間1号は、火星周回機・着陸機・探査ローバ―の3つを兼ね備えています。

天間1号の火星周回軌道への投入は2021年2月を予定しており、その後火星から最も近くて265㎞上空を楕円に周回する火星極軌道を数ヶ月周回した後、火星最大のクレーターにあるユートピア平原に着陸する予定です。

天間1号の着陸機と探査ローバ―が火星に着陸するイメージ図 Credit : CNSA

ユートピア平原はNASAの2機目の火星着陸機である「バイキング2号」の目的地にもなった場所です。

着陸機の降下では、中国独自の有人宇宙船”神舟”で培ったエアロシェルとパラシュートのノウハウが活用されます。着陸機は一定高度まで降下したのち、エアロシェルを活用して約5分間で秒速約4.8kmから秒速460mまで減速します。その後パラシュートを使用し、1分半の間にさらに速度を秒速95mまで減速させます。最後に着陸機が逆噴射し着陸させる手順となっています。

周回機も、中継機としての役割を果たすだけでなく火星の大気や電離層を検出する機器が搭載されており、火星探査を行う予定です。周回機は火星の1年、つまり地球日数687日の間稼働するように設計されています。

90日間の火星探査を想定して設計されている火星の地面を走行する探査ローバ―には、6つの装置が搭載されています。

6つの装置のうちの一つで、火星表面の物質や鉱物の種類を検出するレーザー誘起ブレークダウン分光装置(LIBS)は、NASAの火星探査機キュリオシティが搭載しているものと同水準の装置です。その他、マルチスペクトル画像の取得や、磁場の検出、地中レーダーなども搭載されており包括的な火星探査が可能です。天間1号全体の重量は約5トンですが、探査ローバ―自体の重量は240kgです。

天間1号は、中国初の単独火星ミッションです。
これまでに火星の地面を走行する探査機を打ち上げ、着陸まで成功させた国は米国しかありません。宇宙強国を掲げる中国の今後の火星探査についても注目です。

長征5号のフェアリング内部に格納される天間1号 Credit : CNSA

Virgin Orbitがテストフライト失敗の原因を特定

今年の5月にテストフライトに挑むも軌道投入を果たせなかったVirgin OrbitのCEO、Dan Hart氏が、テスト失敗の原因を特定したことを発表しました。

Hart氏によると、同社のロケットLauncherOneの第1段エンジン点火の数秒後に推進剤ラインが破損し、酸化剤である液体酸素がエンジンに入らなくなったことで燃焼が停止したのが失敗の原因のようです。

推進剤ラインの故障のほか、空中発射システム全般においては順調に進んでいたとHart氏は語っています。テストフライト中に4つの地上局から取得したフライトデータから問題を特定し、今回の液体酸素供給ラインの問題の修正策を既に検証しているとのことです。

親機のCosmic Girlの左翼下部に取り付けられているLauncherOneの様子。 Credit : Virgin Orbit

同社は、故障した部品を強化するためにエンジンの修正を開始しており、次のフライトは2020年内を目標にしているとのことです。

Virgin Orbitは5月のテストフライトの前に、LauncherOneのフライト1回あたりの打ち上げ価格は約1200万ドルと発表しており、最大500kgのペイロードを低軌道まで運ぶことが可能です。

Virgin Orbitの2回目のテストフライトに期待しましょう。

今年の5月25日に実施されたLauncherOneの一回目のテストフライトの様子 Credit : Virgin Orbit

SpaceXが新たな資金調達を実行か

SpaceXが新たな資金調達を実行予定で、同社の評価額は440億ドルで調達額は10億ドルにのぼるだろうと、bloombergの報道がありました。SpaceXはこれまでに合計で約35億ドルを調達しており、直近の資金調達額は5億ドルでした。(その際の同社の評価額は360億ドル)

モルガン・スタンレーは、SpaceXの最終的な企業価値は1750億ドルに達すると推定しています。また、同社の通信衛星事業Starlinkが初めてフリーキャッシュフロー(企業の収入から事業継続に必要な設備投資等の支出を差し引いた金額)を生み出すのは2033年になるだろうと見積もっています。

そして、現在ISSに滞在しているSpaceXの有人宇宙船Crew Dragonの試験機の地球帰還は、8月3日の予定です。地球帰還後、試験飛行の認証審査に約6週間をかけ、日本人宇宙飛行士の野口聡一氏が搭乗予定のCrew-1 missionは早くても9月下旬になる見込みです。野口氏をはじめとする4名の宇宙飛行士はISSに半年滞在する予定です。

有人宇宙開発、ロケット開発、衛星コンステレーションの整備に取り組むSpaceXに引き続き注目です。

Crew-1 missionに搭乗する宇宙飛行士のポスター Credit : NASA

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