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三菱ケミカル、月面探査ロボ開発のダイモンと提携。月面関連事業への参入を見据え【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/4/12〜4/18】

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4月14日、総合化学メーカーの三菱ケミカルと小型ロボット「YAOKI」による月面探査を計画するダイモンがパートナー契約を締結したことが発表されました。

ダイモンは、ロボットクリエイターの中島紳一郎氏が立ち上げたスタートアップ企業。着陸船を開発するAstrobotic Technologyと契約を締結していて、2021年秋にロボットを打ち上げる予定です。

月面探査ロボット「YAOKI」 Credit : 撮影 井上榛香

三菱ケミカルは、「YAOKI」を地球から月に運搬する重要な役割を果たすパッドを製造するのに使用する、最先端カーボンファイバー強化プラスチック素材の提供をはじめとする技術支援を行います。従来、宇宙分野の機器にはアルミ素材が使われてきましたが、カーボンファイバー強化プラスチック素材を使用することで、強度を保ちながら、重量の削減も期待できるということです。

Astrobotic Technologyの月面着陸船 Credit : ダイモン
パッドのイメージ Credit : ダイモン

同社がダイモンとパートナーシップを締結するに至った決め手は何だったのでしょうか。三菱ケミカルの担当者によると、

「ダイモン社からお問い合わせをいただき協議する中で、民間世界初となる月面探査を実施するダイモン社の計画に参画し、宇宙空間や月面での使用実績を迅速に重ねることでほかの宇宙関連をはじめとする分野への展開に繋げたいと考えて、締結に至った。月面探査への弊社素材の使用を通じ、ダイモン社が契約する米国宇宙企業を含めた関係を構築し、共同で用途開発を進めていきたい」(三菱ケミカル 担当者)

と回答がありました。三菱ケミカルが開発した素材は、これまで衛星の製造に採用された実績があるとのことですが、今後は月面開発を見据えて、導入領域をより拡げていきたい考えです。

「月面での使用実績を積み、ほかの月面探査案件や月面基地構想への展開を検討するとともに、地上での材料開発にも活用したい」(三菱ケミカル 担当者)

有人月面着陸を目指すアルテミス計画の本格始動を前に、自社の技術やノウハウを月面開発に転用しようと検討する企業は今後増えていくでしょう。そんな中で、月面関連の宇宙開発に取り組むスタートアップ企業との提携は、大手企業にとってもひとつの戦略になるのかもしれません。

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参考

民間企業初となる月面探査を目指すダイモン社とのパートナーシップ契約締結について ~宇宙分野にCFRP部材を提供~

2021年秋、民間世界初の月面探査を実施世界最小最軽量(*) 月面探査車「YAOKI」 株式会社ダイモンと三菱ケミカル株式会社がパートナーシップ契約を締結

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