Nanoracks・Voyager Space・Lockheed Martinの3社が民間宇宙ステーション「Starlab」を発表。打ち上げは2027年を予定【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/18〜10/24】
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Nanoracks・Voyager Space・Lockheed Martinの3社が民間宇宙ステーション「Starlab」を発表。打ち上げは2027年を予定
国際宇宙ステーション(ISS)の商業利用事業に取り組んでいるNanoracksが、Voyager SpaceとLockheed Martin(NYSE: LMT)の3社で民間宇宙ステーション”Starlab”を開発し、2027年までに打ち上げ、初期運用能力を達成させることを発表しました。Starlabという名称は、米国が初めて打ち上げた宇宙ステーションである”Skylab”にちなんで名づけられています。
Nanoracksは、これまでの商業エアロック開発の経験などを活かしStarlabの開発を推進します。Nanorackの親会社であるVoyager Spaceは戦略立案と資本投資を担い、Lockheed Martinは様々なコア技術のインテグレーターの役割を担います。
Starlabは以下の要素から構成され、最大4人の宇宙飛行士が同時に居住可能となる予定です。
・インフレータブル型居住モジュール
※打ち上げ後に内部に空気を注入することで充分な居住スペースを作り出す膜面構造物のこと。
・ドッキングハブモジュール
・電力/推進系統モジュール
・大型ロボットアーム
・実験/研究モジュール
Nanoracksの共同創業者兼CEOであるJeffrey Manber氏は以下のコメントを出しています。
Since the beginning, Nanoracks has sought to own and operate a private space station to fully unlock market demand. Nanoracks and our team are excited to work with NASA and our friends across the world as we move forward with Starlab.
(訳:Nanoracksは設立当初から、市場の需要を満たす民間宇宙ステーションを開発することを目指してきました。私たちのチームは、NASAや世界中の仲間たちと協力してStarlabを進めていくことを楽しみにしています。 )
NASAは2021年3月に、民間宇宙ステーションの開発を支援するCLDプロジェクト(Commercial LEO Destinations)を発表しており、老朽化の進むISSの後継となる宇宙ステーション開発により一層力を注いでいます。
Starlabの続報が楽しみです。
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参考記事
Nanoracks, Voyager Space, and Lockheed Martin Teaming to Develop Commercial Space Station