デブリ除去に注力する英国宇宙庁、アストロスケールを含むグローバル企業3社を研究事業で採択【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/25〜10/31】
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10月26日、イギリス宇宙庁と国連宇宙局(UNOOSA)が共同で実施する、スペースデブリ除去に関する研究プログラムの参加企業として、アストロスケールを含むデブリ除去企業2社と宇宙状況把握を行う1社を選出したことを発表しました。2025年までに運用が終了した衛星2機を除去する計画です。
アストロスケールは日本発のスタートアップ企業として知られていますが、イギリスにもオフィスを構えています。イギリス宇宙庁は、アストロスケールにデブリ除去衛星の実証ミッションの許可を他国に先駆けていち早く出すなど、アストロスケールの取り組みを支援する姿勢を示していました。
アストロスケールは、8月にデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」の実証において、模擬デブリの捕獲を成功させています。今回選定されたプログラムは、タレス・アレーニア・スペースらと共同で研究開発を進めるということです。
アストロスケールとともに選出されたのは、clearspaceとNumericaです。
clearspace は、スイス発のスタートアップ企業で、2025年までに最初のデブリ除去ミッションを実施する計画です。Numericaは、米国のコロラド州立大学からスピンオフして誕生したスタートアップ企業で、宇宙状況把握を行っています。
選定された企業は、英国外の企業ばかりであることに気が付きます。これには、スペースデブリ除去サービスを展開する企業の誘致や自国の宇宙関連企業との協業を促進する狙いもあるのではないかと考えられます。
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参考
UK working with global partners to clear up dangerous space debris
アストロスケール、英国宇宙庁による軌道上衛星2機の除去研究プログラムに選定
令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(宇宙状況把握データプラットフォーム形成に向けた各国動向調査)調査報告書