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世界最大級の輸送能力を持つSLSロケット、2022年2月に打ち上げ。アルテミス計画が本格始動【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/25〜10/31】
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NASAは、アルテミス計画で宇宙飛行士が搭乗するオリオン宇宙船を打ち上げるために使用されるSLSロケットの組み立てが完了したことを発表しました。
同時に、SLSロケットの最初の打ち上げであり、アルテミスⅠと呼ばれる無人月周回試験を2022年2月に実施する予定であることも発表しています。
NASAによるロケットの打ち上げは、スペースシャトルの退役以来、約11年ぶりとなります。
SLSロケットは、アポロ時代に活躍したサターンVの輸送重量118トンを上回る約130トンのペイロードを地球低軌道に輸送できる世界最大級のロケットです。
本格的な開発は、2014年にスタートしました。当初は2018年に1号機を打ち上げる予定でしたが、技術的課題やCovid-19の影響などにより、大幅に遅延している状況にありました。
NASAの監察総監室(Office of Inspector General,通称OIG)が2021年8月に発表した報告書では、SLSロケットや新型宇宙服の開発が遅延していることを受けて、有人月面着陸を予定通り2024年に実施するのは難しいのではないかと指摘しました。有人月面着陸の前に、有人月周回試験を実施する計画ですが、そのスケジュールは明らかになっていません。
SLSロケットとアルテミスⅠの動向は、日本国内でも増えている月面開発を見据えたビジネスの今後を左右するのではないかと考えられます。
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参考
NASA Completes Mega-Moon Rocket Stacking, Invites Media to Learn More