AlexaとWebexで宇宙飛行士の業務を効率化。アルテミスⅠに搭載されるCallistoに期待すること【宇宙ビジネスニュース】
【2022年1月10日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
アルテミス計画の第一段階として、月周回軌道への無人飛行試験「アルテミスⅠ」を実施するオリオン宇宙船に、AI音声認識サービス「Alexa(アレクサ)」が搭載されることをAmazonが発表しました。
これは、宇宙飛行士や管制官をサポートするシステム「Callisto(カリスト)」の技術実証の一環です。Callistoという名前は、ギリシャ神話でアルテミスに仕える妖精に由来しています。
Callistoはオリオン宇宙船開発の主契約者であるLockheed Martin(ロッキードマーティン)がAmazonとビデオ会議ツール「Webex」を提供するシスコと共同で開発を進めています。
NASAでオリオン宇宙船のプログラム・マネージャーを務めるハワード・フー氏は、Callistoについて
「宇宙飛行士が簡単な音声コマンドを使うことで、宇宙船の姿勢や水の供給量、バッテリーの充電などの状況やパフォーマンスに関する情報にアクセスできる未来を想像しています」
とコメントしています。
アルテミスⅠでは、船内の状況に関するデータにAlexaがアクセスし、飛行速度や気温などの固有の質問にリアルタイムで回答するといった実証が行われます。
さらに、Callistoは通信が制限されている場合も、機能するように開発されています。Callistoが実証されれば、通信が確立されていない遠隔地や僻地での活用も期待できそうです。
アルテミスⅠの打ち上げは2022年3月以降になると見込まれています。
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参考
Callisto Technology Demonstration to Fly Aboard Orion for Artemis I
Lockheed Martin, Amazon and Cisco to Bring Voice Technology and Video Collaboration to the Moon