ニュース
宇宙ガソリンスタンドのOrbit Fab、初の燃料補給契約をアストロスケールと締結【宇宙ビジネスニュース】
【2022年1月17日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
1月11日、アストロスケールが同社の衛星に燃料を補給する商業契約をOrbit Fabと締結したことを発表しました。
Orbit Fabは2018年に設立されたベンチャー企業で、軌道上で衛星に燃料を補給するサービスの提供を目指しています。
2021年7月に、1号機目となるタンクを低軌道上に打ち上げ、軌道上に配置しました。さらに、2022年後半以降に2号機を静止軌道上に打ち上げる計画を発表しています。
燃料補給の対象となる衛星は、アストロスケールの寿命延長衛星「LEXI(レキシー)」です。レキシーは2026年までに静止軌道(GEO)に打ち上げられる予定で、政府や民間の衛星運用者向けに、衛星の軌道維持や姿勢制御、墓場軌道への廃棄などを行います。
今回の契約では、Orbit Fabの衛星が最大1,000kgのキセノン推進剤をレキシーに補給します。Orbit Fabが衛星の燃料補給契約を結ぶのは、今回が初。
アストロスケール米国の社長兼マネージングディレクターであるロン・ロペス氏は
「当社(アストロスケール)とOrbit Fabの取組みは、GEOでの寿命延長という顧客への提供価値を強化するとともに、宇宙エコシステムにおける軌道上サービス会社間での新たなビジネスモデルを推進し、衛星運用をより持続可能なものにするでしょう」
とコメントしています。
一般的に静止軌道に衛星を打ち上げるのには、数百億円規模の費用がかかると言われています。Orbit Fabの燃料補給技術やアストロスケールの寿命延長衛星が実用化されれば、静止軌道衛星を利用したビジネスにも変化が起こるかもしれません。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
ニュース
宙畑編集部
国内宇宙ベンチャー最大規模。デブリ除去サービスを目指すアストロスケールが124億円を調達【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
アストロスケールがデブリ除去用のドッキングプレートを開発。全ての低軌道衛星への搭載目指す【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
宇宙ガソリンスタンドを開発するOrbit Fabが米空軍との共同研究を発表。契約金は300万ドル【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/11〜10/17】
今週の宇宙ビジネスニュース
ニュース
宙畑編集部
Virgin OrbitがNASDAQ上場。さらに3回目となる軌道投入にも成功【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
スペースシフトがMicrosoft for Startupsに採択。Azureを活用したSAR衛星データ解析アルゴリズム開発を加速【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
Ursa Space SystemsがAWSと連携。AWS Data Exchange上でSAR衛星画像分析サービスが利用可能に【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
ICEYEの小型SAR衛星コンステが世界最大級の16機体制へ。米拠点での製造を加速する計画も【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部