フランスの小型ロケットベンチャーVenture Orbital SystemsがシリーズAラウンドの資金調達と社名変更を発表【宇宙ビジネスニュース】
【2022年7月4日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
フランスの小型ロケットベンチャーVenture Orbital SystemsがシリーズAラウンドの資金調達と社名変更を発表
フランスのロケットベンチャー企業Venture Orbital Systems(以下:VOS)が、シリーズAラウンドの資金調達を発表し、1000万ユーロ(約14億円)を獲得しました。同ラウンドには、Crédit Mutuel Innovation・Expansion・Bpifrance・UI Investissement・Comat・Nicomatic・Group ADFが参加しました。
2019年に設立された小型ロケットベンチャーVOSは現在、2024年に予定している小型ロケットZephyrの開発に注力しています。RP1(ケロシン)を燃料とする2段式ロケットであるZephyrは、3Dプリンティング技術でエンジンを製造しています。打ち上げ費用は公開されていませんが、地球低軌道(LEO)への打ち上げ能力は80kgと、類似の小型ロケット企業と比べると少し低い打ち上げ能力となっています。
VOSは今年の2月にスコットランドの北東に位置するSaxaVord UK SpaceportとMoUを締結し、将来の打ち上げの準備を進めています。また、VOSは、社名をよりシンプルなLatitudeに変更すると発表しました。
欧州からも、英国のOrbexやドイツのIsar Aerospaceなど、多くの小型ロケット企業が登場しています。ArianeGroupの支援のもとロケットエンジンの試験に取り組んでいるLatitudeが、着実に技術を集積できるか楽しみです。
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