“再利用可能な衛星”を開発するOutpostがシードラウンドで約9.9億円調達。2023年に打ち上げへ【宇宙ビジネスニュース】
【2022年9月5日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月31日、再利用可能な衛星を開発するスタートアップOutpost Technologies(アウトポスト・テクノロジズ、以下Outpost)がシードラウンドで710万ドル(約9億9500万円)を調達したと発表しました。
出資したのは、シードラウンドのスタートアップに特化したベンチャーキャピタルで、SlackやLinkedInにも出資した実績があるMoonshots Capitalのほか、Draper Associates、 Starlight Ventures、Kittyhawk Ventures、 AIR Capital、Starburst Ventures、Shasta Venturesらです。今回調達した費用は技術開発と人材採用に充てられます。
Outpostは宇宙空間で使用可能な3Dプリンターを開発し、2020年6月にRedwireに買収されたスタートアップMade In Spaceの創設者であるジェイソン・ダン氏が共同設立者兼CEOを務めています。
開発中のプラットフォームは約200kg。自律型のパラグライダーを利用して地上の任意の場所にピンポイントで着陸します。
Outpostの初の衛星は2023年に打ち上げられる予定です。
サービスの価格帯は明らかになっていませんが、Webサイトでは「衛星ミッションのコストを最大80%下げる」と記載されています。ペイロードを安く、手軽に地上で回収できるようになれば、微小重力環境を利用した科学実験や創薬、新素材開発などに役立てられるのではないかと考えられます。
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参考
Outpost Raises $7.1M Seed Round to Develop Reusable Satellites for Earth Return Service