世界初!三井住友海上とispaceが「月保険」を開発。月面ビジネスのリスクを補償【宇宙ビジネスニュース】
【2022年10月10日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
ispaceによる日本の民間企業としては初となる月面着陸を前に、関連サービスの開発が進んでいます。
10月7日、三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)は、月面探査を計画するispaceと共同で、月面ビジネスの打ち上げから月面着陸までにおいて発生するリスクを補償する世界初の「月保険」を開発したことを発表しました。
三井住友海上がispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーに参画した2019年2月以来、ispaceはスケジュールや月への航路、着陸の際に起こり得るリスクなど、ispaceの開発に関する情報を提供し、三井住友海上はこれらのリスクを分析してきました。
また、2022年4月には、月保険の組成に関して三井住友海上とispaceが覚書を締結したことを発表しています。
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今回発表された月保険は、月着陸船(ランダー)からデータが受信できない場合やデータに異常値がみられた場合など、予定していた月面航行や着陸が達成できない場合などに保険金が支払われます。
宇宙や月面では、地上のように損害箇所を目視できないため、ランダーから発信される様々なデータを地上で受信し、ランダーの状態を確認するということです。
ispaceのFounder 兼CEOの袴田武史氏は、
「産業が発展するうえで、保険は必要不可欠な要素です。月・地球間のエコシステム実現の旗振り 役である ispace としては、世界初の月保険を三井住友海上様と共同開発させていただき大変光栄に 思います。この月保険により、様々な事業者が今後月面開発に参加し、繰り返し月に行くことで 新たな産業が創出されることになるでしょう」
とコメントしています。