ニュース
日本と欧州、2030年までのISS運用延長に合意。「アルテミス計画で必要となる技術実証の場として不可欠」【宇宙ビジネスニュース】
【2022年11月28日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
11月18日、永岡桂子文部科学大臣は、日本政府としてISS(国際宇宙ステーション)の2030年までの運用延長への参加を表明したことを発表しました。さらに、欧州宇宙機関(ESA)は、11月23日に閣僚級理事会でISSの2030年までの運用延長を決定したと発表しました。
ISSの運用を巡っては、アメリカが2021年12月に2030年までの運用延長を発表し、そのほかの参加国は少なくとも2024年までの参加を合意している状況でした。
永岡大臣は18日に開催された会見で、ISSについて「平和目的の国際協力プロジェクト」「アルテミス計画で必要となる技術の獲得・実証の場として不可欠」と繰り返しました。その上で運用延長に合意した具体的な理由を記者に尋ねられると
「アルテミス計画をアメリカや欧州、そしてカナダなどとも、協力して共に進めまして、また、アルテミス計画になくてはならないISS運用延長に参加することは、やはり日米宇宙協力の最も大きな柱の一つになります」
と説明しました。
また、ISSが退役した後、2030年以降の地球低軌道の利活用についても、国内で調査や検討が始まっています。
ニュース
宙畑編集部
ISS退役後の宇宙環境利用シナリオを検討する調査提案をJAXAが公募。Blue Originら海外企業を含む10社の共同提案が採択【宇宙ビジネスニュース】
これまで獲得してきた技術やノウハウを、アルテミス計画をはじめとする月・火星探査だけでなく、地球低軌道でも引き続き活かせられるスキームが求められるでしょう。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
ニュース
井上榛香
2025年以降の地球低軌道活動はどうなる?米国はISSの運用を延長。日本は夏頃に政府が方針を決定する見込み
ニュース
井上榛香
【現地取材】若田さんらを乗せた「Crew-5」がISSへ。露飛行士の米宇宙船搭乗は20年ぶり。宇宙開発と国際協力の行方は?
今週の宇宙ニュース
ニュース
宙畑編集部
天地人が衛星データを活用して水田から排出されるメタンガスを推定する方法論を発表【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
国連、COP27で衛星データを利用したメタン検知システム「MARS」を発表。排出元に通知し、排出量削減を目指す【宇宙ビジネスニュース】
参考
Ministers back ESA’s bold ambitions for space with record 17% rise