東大発ベンチャー、アークエッジ・スペースが2機目となる衛星を打ち上げ。23年1月にISSから放出予定【宇宙ビジネスニュース】
【2022年12月5日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
11月27日、超小型衛星の技術開発に取り組むアークエッジ・スペースが2機目となる超小型衛星「OPTIMAL-1(オプティマル・ワン)」の打ち上げに成功したことを発表しました。
OPTIMAL-1はSpaceXのFalcon9ロケットに搭載されたドラゴン宇宙船により打ち上げられ、ドラゴン宇宙船は同日にISSにドッキングしました。今後は、2023年1月にISSの小型衛星放出機構を用いて宇宙空間へ放出される予定です。
アークエッジ・スペースは、東京大学で培った超小型人工衛星の開発技術や利活用技術を元に事業化を目指して、2018年7月に設立された企業です。
2019年に経済産業省の産業技術実用化開発事業費補助金(宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業)に採択され、「TRICOM衛星による超小型推進系・通信装置及び軌道上高度情報処理技術の実証事業」をテーマとしてOPTIMAL-1の開発に取り組んできました。
宙畑メモ
TRICOM衛星とは、2017年1月に打ち上げられた「TRICOM-1」と2018年2月に打ち上げられた「TRICOM-1R(たすき)」のことを指します。どちらも経済産業省の事業の採択を受けて開発された約3kgの超小型衛星です。TRICOM-1R はメインミッションである地上の弱電波を受信・中継や民生カメラによる画像取得実験を成功させました。
参考:超小型衛星「TRICOM-1R(たすき)」打ち上げ・民生カメラによる画像取得実験・即時観測の機能実証実験・S&F実験に成功
OPTIMAL-1は、TRICOM-1Rが実証した汎用バスの機能をさらに高める改良とその実証を行うとともに、超小型推進系やオンボードディープラーニングボード、超小型ハイパースペクトルカメラ、特定小電力通信などの技術実証を実施します。