温室効果ガス監視サービスを展開するGHGSatがKSATと衛星運用契約を締結【宇宙ビジネスニュース】
【2022年12月19日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
温室効果ガス監視サービスを展開するGHGSatがKSATと衛星運用契約を締結
小型人工衛星を活用して温室効果ガスであるメタンガス等のモニタリング事業を展開するカナダ発のベンチャー企業GHGSatが、全大陸に広がる地上局ネットワークを有する大手地上局企業であるKongsberg Satellite Services (以下:KSAT)と、衛星コンステレーションの運用契約を締結しました。
GHGSatの温室効果ガスを監視する小型衛星は、現在軌道上に6機あり、そのうち5機が商用利用されています。GHGSatは、2019年の衛星初打ち上げの際から、KSATの地上局サービスを活用していました。
KSATは、ノルウェー北部のトロムソに位置する衛星運用センター(TSOC)から、GHGSatにサービスを提供する予定です。TSOCのサービスは同社の地上局ネットワークと完全に統合されており、LEOP(打ち上げから衛星の初期運用)から定常運用、運用終了まで、シームレスな衛星運用を保証します。
GHGSatの社長兼CEOであるStephane Germain氏は、今回の契約締結について以下のコメントを発表しています。
Our experience with KSAT’s ground segment systems/services has paved the way to broadening our collaboration to include satellite operations for our growing constellation. The partnership enables us to stay focused on our mission and expertise, which is to deliver valuable, actionable emissions data and intelligence to customers worldwide.
(訳:これまでのKSATの地上システムサービスを活用してきた経験によって、私たちの協力関係と拡大する衛星運用に対応する道が開いたことになります。
今回の契約により、我々は世界中のお客様に価値ある実用的な温室効果ガスの排出量データと情報を提供するというミッションと専門性に集中することが可能になりました。)
世界中で環境問題への関心が高まっていることが追い風となり、GHGSatが提供する温室効果ガスの監視サービスのニーズも拡大していくと期待されています。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
【保存版】環境問題を可視化する衛星データまとめ〜環境問題の指標・世界の取り組み・利用できる人工衛星〜
Planet Labsがメタンガス検出を目的とするハイパースペクトル衛星を発表【宇宙ビジネスニュース】
天地人が衛星データを活用して水田から排出されるメタンガスを推定する方法論を発表【宇宙ビジネスニュース】
今週の宇宙ビジネスニュース
三菱UFJ銀行が小型ロケットベンチャー・スペースワンに出資。衛星開発企業との連携にも意欲【宇宙ビジネスニュース】
Planet Labsの衛星データが「Amazon SageMaker」で利用可能に。機械学習モデル構築等を従来の最大10倍にまで加速【宇宙ビジネスニュース】
QPS研究所、JAXAが開発した「オンボード高性能計算機」を搭載へ。AI機能でデータ提供の迅速化を実証予定【宇宙ビジネスニュース】
アメリカの投資会社が約8800億円でMaxar Technologiesを買収。「資金面など支援していく」【宇宙ビジネスニュース】
参考記事
GHGSat signs with KSAT for Satellite Constellation Operations
GHGSat signs with KSAT for Satellite Constellation Operations