Voyager Spaceとエアバスが合弁会社を設立へ。米欧の利害を一致させる商業宇宙ステーションの構築・運用に向けて【宇宙ビジネスニュース】
【2023年8月7日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月2日、商業宇宙ステーション「Starlab(スターラボ)」を開発するVoyager Spaceは、ヨーロッパの大手航空宇宙企業Airbus Defence and Space(以下Airbus)と合弁会社を立ち上げることを発表しました。
米国法人に加えて、欧州宇宙機関(ESA)とその加盟国の宇宙機関にサービスを提供する欧州の合弁子会社を立ち上げる予定だと言います。
プレスリリースでは合弁会社を立ち上げる目的について「宇宙分野における世界トップクラスのリーダーを結集するとともに、宇宙開発における米欧の利害をさらに一致させます」と説明されています。
Starlabは、Voyager SpaceとNanoracks、Lockheed Martin が開発する宇宙ステーションで、2021年10月に構想が発表されました。Airbusは2023年1月に開発および運用に参画したことを発表しています。その際にVoyager Spaceの会長兼CEOディラン・テイラー氏は、StarlabはESAとその加盟国の宇宙機関がLEO(地球低軌道)で微小重力研究を継続するためのサービスを提供する考えを発表していました。
また、StarlabはNanoracksを通じてNASAからISSの後継機として1.6億ドルの支援を受けています。
Voyager Spaceらは開発における重要なマイルストーンのひとつである、システム要件レビュー(SRR)を6月に完了させています。計画通りに進めば、Starlabは2028年に打ち上げられ、初期運用が始まる予定です。
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参考
Voyager Space and Airbus Announce Joint Venture to Build and Operate Starlab USA