ニュース
医薬品の輸送コストを削減。JAXAベンチャー・ツインカプセラが宇宙技術を活かし断熱保冷容器を開発【宇宙ビジネスニュース】
【2023年10月16日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
JAXAベンチャー・ツインカプセラが、ISSからの物資回収技術を活かして開発した超高性能断熱保冷容器のβ版の有償提供を開始しました。
JAXAは2018年、宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」7号機がミッションを終えて地球の大気圏に突入する際に、ISSで実施した実験のサンプルを入れた小型の回収カプセルをこうのとりから放出し、カプセルを洋上で回収することに成功しました。
ツインカプセラは、HTV搭載小型回収カプセルの断熱保冷容器技術の社会実装を目指すJAXAベンチャーです。HTV搭載小型回収カプセルプロジェクトのメンバーとして開発に携わっていたJAXA職員の宮崎和宏さんが代表取締役/CEO、畠中龍太さんが取締役/CTOを務めています。
断熱保冷技術が活躍するのは宇宙だけではありません。ツインカプセラの断熱保冷容器は、-75℃、-20℃、-10℃、4℃、20℃、37℃など、バイオメディカル系の分野でニーズの高い温度領域をはじめ、各温度帯での約3日以上の温度維持が可能です。
そのため、温度管理・維持が必要な検体や医薬品などを常温宅配便で保冷輸送でき、地上の輸送コストの削減も期待されます。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
ニュース
宙畑編集部
タイガー魔法瓶の断熱容器が2度目の宇宙へ。ドラゴン補給船22号機の多彩なペイロード【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/5/31〜6/6】
ニュース
宙畑編集部
JAXA、衛星データベンチャー・天地人に出資。法改正により企業への出資が可能に【宇宙ビジネスニュース】
今週の宇宙ニュース
ニュース
2025年に音声通話が可能に。Starlinkとスマホの直接通信でサービスが拡大【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
気球による成層圏の遊覧旅行サービスを計画する岩谷技研が5.7億円を調達【宇宙ビジネスニュース】
ニュース