宙畑 Sorabatake

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民間企業のデータ利用促進に向けた政府の仕掛け【週刊宇宙ビジネスニュース 3/4~3/10】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

GPS掩蔽(えんぺい)観測のイメージ Credit : UCAR

天気予報に関するモデルを改良に大きく寄与するだろうと言われているGPS掩蔽(えんぺい)による観測データが、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の商業気象データのパイロットプログラムの目玉として取り上げられているようです。

従来までの天気予報では、衛星及び地上から観測した水平方向(平面的)の情報を使って予測してきましたが、GPS掩蔽観測により垂直方向の情報も使って予測することができるようになることで、高精度に予測できると期待されています。

GPS掩蔽観測に関連するGeoOpticsやPlanetIQ、Spireといった(小型衛星を開発する)民間企業から、NOAAも積極的にデータを購入するべく、2016年に結んだ契約を2018年に更新した(第二段階に進んだ)、という発表がありました。

当初は期待していたほどのデータを得られなかった、という声もあったものの、今ではアメリカと台湾が共同で実施しているCOSMICという政府衛星にも匹敵するデータが取れている、と言われているようです。

NASAも商用データ購入プログラムを開始しており、2018年月にDigitalGlobe、Planet、そしてSpireから観測データを購入する計画を発表しています。

年間契約で最大4年まで更新、購入費用は1社あたり約7億円のようで、衛星データ購入の面からも民間企業の成熟をサポートしています。NASAのFrelich氏は、このデータ購入により、政府と民間企業双方にとって大きなメリットがあるのが重要である、とポイントを述べました。

地球観測分野での国と民間企業の協力は、何もアメリカに限った話ではなく、欧州宇宙機関(ESA)とAirbusもパートナーシップを結んでいるそうです。

国と民間企業双方の発展のため、双方の関わり方がどのような形になっていくのか、は追って見ても良いテーマかもしれません。

日本でも、政府衛星データの民間開放が始まっており、今後どのような展開になっていくのか、も見どころの一つです。

データに限った話ではなく、衛星自体についても大きく変化が今後起きてきそうです。過去に打ち上げた気象観測系の衛星の中には、設計寿命を超えている機体も多く、小型衛星に観測を代替していくことの検討も一部では始まっているようです。

小型衛星にできることは限られていますが、大型衛星でないとできないことと、小型衛星で実現した方が良いことを整理することで、より効果的なミッション遂行を実現できるようになります。

投じるコストが大きな宇宙分野において、得られる成果を最大化することは重要であり、各国どのような工夫をして宇宙利用を促進していくのか、ということも追うのが楽しみなテーマとなりそうです。

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