宙畑 Sorabatake

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ゼンリンとの提携を解消したGoogle、提携し始めたMapbox【週刊宇宙ビジネスニュース 3/18~3/24】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

スマホをご利用の方々の中には、Google Mapが変わった!?と驚いた方もいたかもしれません。
それは先日、Googleがゼンリンとの提携を解消したからなのですが、Bloombergがツイートするほどの大きな話題なのです。

実際に地図を見てみると、ゼンリンの文字がなくなっています。
そして、今まではくっきりとした航空写真だったようなところが、3Dモデルのような見た目になっています。

都内住まい(かつ日常的にGoogleMapをあまり開いていなかった…)身からすると、あまり変化がないようにも思えるのですが、あるはずの道がなくなった、等々の報告も見られ、今後GoogleMapがどのようにアップデートされていくのか、については注目していきたいところです。

対して、ゼンリンとの提携が発表されたMapbox。
こちらについても、えらい変わりようだ、ということで様々な方々ツイートしていました。
例えばこのような感じの変化です。細い道まで確認できるようになりました。

衛星画像や位置情報等を用いることで、太い道や人が多く通る道までは描画することはできても、細い道まではなかなか描画しきれないことも多いようです。
実際に、衛星写真や航空写真を用いて地図を作成する試みはいくらか行われていますが、まだ日本のように狭い道が多い地域の地図を自動で生成するには、衛星画像の地上分解能が足りていないというのが実際にところかもしれません。
*興味のある方は、TellusにはOpen Street Mapという地図とASNARO-1の高解像度な衛星写真がありますので、
*道路が正しく表示されているか、比較してみるのも面白いかもしれません。

GIS(地理空間情報)やその解析関連の市場は、2020年には10兆円規模になると言われています。今更地図が何で?という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、これは、私たちが歩くときに用いるのはもちろんのこと、自動運転技術の一環としても、高精度な地図の需要が高まっていることも背景にあります。
例えば地図業界の動向についてはこちら(外部サイト)にまとめられています。

地図は私たちが何かしらを把握するうえで、必ずと言ってもいいほどに利用されます。
それはやはり、各地域の変化を確認するうえで、地図に重ねて見るのが一番理解しやすいからです。例えば、MapboxのBlogに、アメリカの種別ごとの各発電設備の発電量推移が可視化されています。

発電量の推移 Credit : Mapbox

ここでは発電量のみを可視化していますが、例えばここに人口統計データであったり、その時の気温情報であったりと重ねていくことで、何かしらの知見を得ることができます。これが、もしも棒グラフとして提示されているのみであれば、何かしらの情報を重ね合わせよう、という意識になかなかならないかもしれません。

地図を生成するうえでのアプローチはさまざまにありますし、地図の描画方法も無数に存在します。
「地図なんて目的地までの行き方を案内してもらうときに利用するだけだからどんな地図でも同じでしょ」、というような割り切り方もありですが、タクシードライバーの方に取っては人通りの多い道が分かることが大切であったり、引っ越して周辺情報が分からない人にとっては周辺での飲食店などが分かることが大切であったり、車椅子で移動される方にとっては段差のないルートが分かることが大切であったりと、ユーザによって適した地図は様々です。
衛星データを重ねるときの地図に関しても、道を表示してくれる地図が必要なのか、はたまた標高データを反映した地図が必要なのか、地区町村を反映した地図が必要なのか、等々と様々にあります。
〇〇を描画するために、××のような地図が必要だ、というところまで踏み込んで考えてみると、地図を見る目も変わって楽しめるかもしれませんし、新しいことに気が付けて知見も深まるかもしれません。そんな意識を持ちながら、久しぶりに地図帳を開いてみるのはいかがでしょうか。

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参考

Exploring 17 years of energy transition

自動運転向けの地図、世界と日本の開発企業まとめ ダイナミックマップの業界動向

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