NASA 商業月面輸送サービスを3社に委託【週刊宇宙ビジネスニュース 5/27〜6/2】
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5月31日、米国・NASAは、商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services 以下、CLPS)プログラムに採択されていた3社に無人着陸機の開発と輸送を3社に委託することを発表しました。
CLPSとは、2017年12月に発表された、NASAがペイロードの月面輸送サービスを民間から公募するプログラムです。同プログラムには9社が選定され、契約金の総額は26億ドルにのぼります。日本からは月面探査チーム「HAKUTO」で知られる宇宙ベンチャー・ispace社がマサチューセッツ工科大学から独立した非営利研究開発組織・ドレイパー研究所らとともに参加しています。
今回選出されたのは、Astrobotic社、Intuitive Machines社、OrbitBeyond社。2020年9月から2021年7月までの間に、最大23回の輸送を委託する契約を締結しました。
最初の打ち上げを予定しているのは、OrbitBeyond社。2020年9月までに、雨の海と呼ばれる溶岩平野のクレーターに4つのペイロードを輸送することを提案し、9700万ドルの契約金を支給されました。
続くAstrobotic社は、2021年7月に、死の湖と呼ばれるクレーターに最大14つのペイロードを輸送することを提案しています。同クレーターは、ispace社HAKUTOとしてGoogle Lunar X Prizeに出場していた際から、着陸予定地としていた場所。着陸に適した平野になっていることに加えて、縦孔(巨大な空洞)の存在が予想されていることから、人類の移住地の候補にあげられています。
残るIntuitive Machines社は、クレーター・嵐の大洋、または晴れの海へ2021年7月に4つのペイロードを輸送することを提案しています。嵐の大洋はJAXAによる月周回衛星「かぐや」による撮影にも成功していて、世界で始めて縦孔の存在が確認された場所です。
この発表に対して、 NASA・長官のジム・ブリデンスタイン氏は「商業月面着陸サービスへの投資は、低地球軌道を超えた商業宇宙経済を構築するための大きなステップである」とコメントしています。同プロジェクトの成功は、科学面でも大きな期待が寄せられることでしょう。
参考
NASA awards contracts to three companies to land payloads on the moon
Commercial Lunar Payload Services
NASA Selects First Commercial Moon Landing Services for Artemis Program
NASA CLPS プログラム契約
ispace、ドレーパー研究所のチームに参加
HAKUTO 公式Twitterアカウント
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