NASA、オリオンの長期生産契約をロッキード・マーティンと締結【週刊宇宙ビジネスニュース 9/23〜9/29】
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NASA、オリオンの長期生産契約をロッキード・マーティンと締結
今月24日、NASAは、有人宇宙船・オリオンの生産および運用契約、通称Orion Production and Operations Contract (以下、OPOC) を米国の航空宇宙機製造開発会社であるロッキード・マーティンと交わしたことが明らかにしました。
OPOCは、アルテミス計画Ⅲ〜Ⅴを27億ドルで、アルテミス計画Ⅵ〜Ⅷを19億ドルでそれぞれ発注し、合計で6〜12機を開発するというもの。
長期で契約することによって、生産ラインの安定化とコストの削減を図る目的があるのではないかと考えられます。
NASAのジム・ブライデンスタイン長官は、「この契約により、10年間を通じてオリオン宇宙船の生産ラインを確保し、月に持続可能なプレゼンスを確立して新たな知識を得て、宇宙飛行士を火星に送る準備をするというNASAの責任を示している」 「オリオン宇宙船は、宇宙飛行士との深宇宙ミッションのために特別に設計され、高度な能力を備えた最先端の宇宙船であり、アルテミス計画と将来の太陽系探査のためになくてはならないものである」とコメントしています。
日本とオーストラリア、NASAと共同で月ミッションに参画
今月21日にオーストラリアのスコット・モリソン首相は、NASAのアルテミス計画を含む、月と火星の探査に国として参加することを発表しました。
資金の提供は2020〜2021年に開始され、その後オーストラリア宇宙機関が関心のある分野をNASAと相談のうえ決定し、実施していく予定です。
今回の発表についてモリソン首相は、「この投資は、すべてのオーストラリア人により多くの雇用、新しい技術、そして経済を成長させるより大きな投資をもたらす」とコメントしています。
オーストラリア宇宙機関は、2018年に設立された比較的新しい機関ではありますが、プロジェクトを通した各国との協力体制が今後も期待されるのではないでしょうか。
次いで今月24日には、JAXAの山川宏理事長とNASAのジム・ブライデンスタイン長官が、火星探査を見据えた月探査における持続的な探査活動の実現に向けて協力を拡大していく旨が記載された共同声明に署名しました。
同声明で両機関長は、
JAXAの小型月着陸実証機(SLIM)ミッションへのNASAの参画や、JAXAとインド宇宙研究機関(ISRO)が計画している月極域探査ミッションにおいて参加可能性に関する議論が行われていること、またこれらのミッションを通じてJAXAが得た観測データの共有が、NASAの月探査の目標及び目的に貢献する
ということを強調しています。
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参考記事
NASA Commits to Long-term Artemis Missions with Orion Production Contract
NASA Awards Lockheed Martin Contract For Six Orion Spacecraft
Australia to support NASA’s plan to return to the Moon and on to Mars
Australian Government Commits to Join NASA in Lunar Exploration and Beyond
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米国航空宇宙局(NASA)の月探査に向けた協力に関する共同声明について
NASA Administrator Explores Potential Artemis Collaborations with Japan