SpaceXがフェアリングの再利用を発表!URSAが資金調達に成功!【週刊宇宙ビジネスニュース 11/4〜11/10】
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SpaceXがフェアリングの再利用を発表
ロケットの再利用打ち上げで実績を積み重ね続けているSpaceXは、11月11日のFalcon9の打ち上げで、ロケットの先端部にあたるフェアリングの再利用に挑戦することを発表しました。
今回再利用するフェアリングは、今年の4月11日に打ち上げたFalcon Heavyのフェアリングであることが分かっています。ロケットの種類は異なりますが、同社はFalcon9でもFalcon Heavyでも同じタイプのクラムシェルフェアリングを採用しているため、再利用が可能ということです。
クラムシェルフェアリングは通常2つでセットで使用されますが、同社CEOのElon Muskは同社のフェアリング1つの値段は約600万ドルと説明しているため、コストの観点から再利用の価値はあると期待されています。
また、宙畑の過去のニュース記事でも取り上げていますが、フェアリングの回収に成功した直後の彼のツイートで、今年後半にフェアリングを再利用することに言及しており、有言実行する姿は本当に素晴らしいです。
さらに、今回の打ち上げでフェアリングを再使用するだけでなく、そのフェアリング2つを巨大ネットで海水に触れることなく回収することも発表されています。
今年の6月に、2つのフェアリングのうちの片方を船舶で回収することには成功しているので、今回は両方を回収するそうです。
ロケットのフェアリングは、SpaceXが今まで回収してきたロケットの第一段よりも高い高度まで航行するため、再利用によるコスト削減には否定的な声もありました。今回のフェアリング2つの回収でそれらの声を一掃することが出来るのか、今後の期待が高まります。
2つのフェアリングを海面に落とさずに回収するという先進的なことを、普通の人でも思いつくような原始的な手法で解決してしまうSpaceXの今回の打ち上げに注目です。
URSAがシリーズBの資金調達を実施!
11月7日に、SAR画像のデータ解析に取り組んでいるURSA Space SystemsがシリーズBとして1500万ドルの資金を獲得したことを発表しました。
今回の資金調達ラウンドはRazor’s Edge Venturesがリードインベスターとして参加し、他にCiti Ventures・New York Ventures・Empire State Developmentも加わっています。さらに、シリーズAで参加した既存投資家であるPaladin Capital Group・RRE Ventures・S&P Global Inc.も引き続き参加しています。
今回の資金調達により、URSA Space Syatemsへの合計投資額は、約2810万ドルとなりました。
Ursa Space Syatemsは、SAR衛星からデータを集約し他のデータソースと掛け合わせて独自の分析を実施することで、顧客に新しいビジネスインテリジェンス(企業がデータを収集・蓄積することで、経営上の意思決定に役立てる技術のこと)のツールを提供することを目指しています。
Razor’s Edge VenturesのディレクターであるMark Spoto氏は、今回の資金調達について以下の声明を出しています。
While governments have utilized and recognized the value of SAR imagery for several decades, it has not been until recently that this data is sufficiently timely and cost-efficient to drive real commercial market opportunities
(訳:確かに政府は数十年にわたってSAR画像の価値を活用してきたが、最近になって初めて、これらのSAR画像データが実際の市場の促進にタイムリーに寄与し十分コストパフォーマンスが高いことがわかってきた。)
今回のリードインベスターであるRazor’s Edge Venturesは、安全保障や成長産業における課題を解決するテックベンチャーに積極的に投資を実施している民間VCです。今後、他産業だけでなく国家の安全保障にもSAR画像の解析データが積極的に活用されることが期待されているので、引き続きURSA Space Systemsに注目です。
ボーイングが宇宙飛行士脱出カプセルの試験を実施
11月4日に、ボーイングが有人宇宙船CST-100スターライナーの宇宙飛行士カプセルの脱出試験を実施し、部分的成功を収めました。
スターライナーは3つの主要なパラシュートが展開される予定でしたが、そのうち2つのみが展開されました。脱出モーターの停止や、サービスモジュールと熱シールドの分離などは正常な値を示しており、脱出試験においてパラシュートの問題以外の不具合はなかったとボーイングは報告しています。
今回、1つのパラシュートが展開されなかった原因は、メインパラシュートを引き出す役割の”パイロットシュート”という部分とメインシュートストラップが、ピンで適切に接続されていなかった点であると断定したと、ボーイングの副社長兼プログラムマネージャーであるJohn Mulhollandは述べました。
このピンは、パラシュートシステムの摩耗を制限する保護シースに囲まれているため、適切に固定されていることを視覚的に確認することは非常に困難とのことです。その影響で、ピンが適切に通り抜けていなかったことが目視検査で発見されなかったようです。
NASAのコマーシャルクループログラム(CCP)のマネージャーであるKathy Luedersは、この点に関して、「ボーイングの品質管理に問題があるとは認識しておらず、ボーイングとNASAの共同で作業し、行動計画をまとめるしかない」と述べています。
ボーイングは、オービットフライトテスト(OFT)として知られる無人ミッションを12月17日に実施する予定です。このミッションはスターライナーの無人試験における集大成にあたります。ミッションの内容としては、スターライナーがISSに向かったのち約1週間オービットラボに接続を維持し、その後地球に戻ってくる予定です。
すべてがOFTでうまくいけば、ISSへの乗組員のデモンストレーションミッションに続き、最終的にはNASAと契約したISSへの運用便として就航します。
SpaceXとボーイングの2社で取り組んでいるNASAのコマーシャルクループログラム(CCP)の今後に期待です。
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参考文献
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