Rocket Labが打ち上げに失敗するも、第一段の洋上回収には成功 【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/5/17〜5/23】
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Rocket Labが打ち上げに失敗するも、ロケット第一段の洋上回収には成功
小型ロケット界をけん引するRocket Lab USA, Inc.が、第20回目となる小型ロケット打ち上げミッション”Running Out Of Toes”に挑みましたが、第二段エンジンの燃焼に異常が発生し、ペイロードの軌道投入に失敗しました。
今回搭載されていたペイロードは、BlackSky Holdings, Inc.の地球観測衛星2機です。
今回のミッションでは、第二段エンジンの点火直後にコンピュータが問題を検出し、そのまま自動で燃焼がシャットダウンされました。これは、Rocket Labがこれまでに実施してきた地上試験では確認されておらず、今後FAA(米国連邦航空局)と協力して実施されるフライトレビューで詳しく原因究明される予定です。フライトレビューは今後数週間で完了する予定です。
また、今回の打ち上げのもう一つの目標でもあった、ロケット第一段の回収には成功しています。
With a robust review underway, our team is committed to a swift and reliable return to flight soon.
Full update: https://t.co/C476FPGVWm
📷@RoryGannaway pic.twitter.com/Swh6bhzVAE
— Rocket Lab (@RocketLab) May 17, 2021
計画通りにパラシュートで安全に着水したロケット第一段は、Rocket Labの回収船が無事に回収し、同社の製造施設に輸送されました。
回収されたロケット第一段の一部は、将来のミッションで再利用される予定です。Electronを再利用可能なロケットにするための実証は急速に進んでおり、今年末には3回目の第一段回収ミッションを行う予定です。
衛星の軌道投入には失敗するも、収穫はあった今回のRocket Labの打ち上げ。同社の打ち上げはこの後も多数控えており、早期の打ち上げ再開が待たれます。
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