東北大発ベンチャーElevationSpaceが約3.1億円を調達。出資企業との提携も【宇宙ビジネスニュース】
【2022年3月14日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
3月9日、宇宙の微小重力環境を活かした研究や高品質材料の製造が可能な小型宇宙利用プラットフォーム「ELS-R」の開発を進めるElevationSpaceが、シードラウンドで約3.1億円を調達したと発表しました。
同社は2021年7月に、プレシードラウンドで3000万円の資金調達を実施しています。累計の調達額は約3.5億円となりました。
今回出資したのは、スキマバイトアプリの運営を手掛けるタイミーを始めとするスタートアップ企業に出資するジェネシア・ベンチャーズのGenesia Venture Fund 3号投資事業有限責任組合やリバネスキャピタルらです。
今回の資金調達を受け、ElevationSpaceは2023年後半に打ち上げを目指して開発している技術実証機「ELS-R100」の開発を加速させるとともに、2026年を予定しているサービス提供機「ELS-R1000」の研究開発と事業開発に向け組織体制の構築に注力すると説明しています。
宙畑メモ
ElevationSpaceは、ミドリムシを活用した食品を販売するユーグレナと宇宙実験事業に関する覚書を2022年1月に締結しました。技術実証機「ELS-R100」には微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を搭載し、機内での成長を観察、データ収集が実施される予定です。
ユーグレナとElevationSpaceが提携。2023年に打ち上げ予定の小型衛星にミドリムシを搭載【宇宙ビジネスニュース】
ElevationSpaceは資金調達の発表と同時に、出資企業との連携内容を発表しています。
ジェネシア・ベンチャーズのPartnerでChief ESG Officerの河合将文氏が社外取締役に就任し、経営体制とガバナンス強化を進めるとのことです。
さらに、ElevationSpaceは、科学技術分野における人材育成や研究を行うリバネスグループとの資本業務提携を発表しています。リバネスグループが持つビジネスとサイエンス領域の知見、産官学とのネットワーク、ElevationSpaceが持つ技術力と提供を目指しているプラットフォームを組み合わせ、新たな宇宙での新規材料製造マーケット創出に共同で取り組む予定です。
2023年に予定されている技術実証機の打ち上げを目前に、ElevationSpaceの事業にはさらに注目が集まると予想されます。