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軌道上製造プラットフォームの実現を目指すVarda Space IndustriesがNASAの研究所と協定を締結【宇宙ビジネスニュース】

【2022年8月8日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

軌道上製造プラットフォームの実現を目指すVarda Space IndustriesがNASAの研究所と協定を締結

小型衛星を活用した軌道上製造プラットフォームに取り組むVarda Space Industriesが、NASAの2つの研究所と、NASA Space Act Agreement (SAA) と呼ばれる協定を締結しました。今回の協定によりVarda Space Industriesは、NASAのラングレー研究所及びエイムズ研究所が保有する技術にアクセスすることが可能になります。

2020年に設立されたVarda Space Industriesは、小型衛星を活用し微小重力環境が必要なプロダクトの製造を行い、地球への再突入まで担うプラットフォームを開発しているスタートアップ企業です。軌道上での製造工程は完全自動化を目指しており、これまでに5300万ドル(約71.5億円)を調達しています。Varda Space IndustriesはNASAの2つの研究所の知見を活用し、地球再突入カプセルの開発、最先端の熱シールド技術の開発に着手する予定です。

Varda Space IndustriesのCEOであるWilliamBruey氏は、今回の発表にあたり以下のコメントをしています。

Varda is proud to partner with NASA to help strengthen our re-entry capabilities. Our Earth re-entry vehicles, which we want to conduct daily return trips to Earth from our in-space manufacturing satellites, establish a robust platform for our commercial needs while also helping NASA expedite development of innovative new thermal protection systems.
(訳:Varda Space Industriesは、NASAと連携して再突入技術を強化できることを誇りに思います。我々が開発する、軌道上で製造を行う衛星から地球への日々の運搬を担う大気圏再突入機は、NASAの熱保護システム開発を更に発展させながら、世界の商業ニーズに応えるプラットフォームを確立させていきます。)

Varda Space Industriesの最初のミッションは、2023年の第2四半期に予定されているSpaceX相乗り打ち上げミッションTransporter-8で打ち上げられる予定です。最初のミッションでは、実際に軌道上で製造工程を実施し、完成品を地球に帰還させる予定です。

小型衛星を活用した宇宙実験及び宇宙製造プラットフォーム事業は、Space ForgeElevationSpaceなどの企業が着手しています。複数の企業が軌道上製造プラットフォーム実現を目指す中で、どの企業がどのような成果を出すことが出来るのか注目です。

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