スカパーJSATと伊藤忠商事、カタールに海上オイル漏れ検知サービスを提供開始。SAR衛星データを活用【宇宙ビジネスニュース】
【2023年6月29日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
6月19日、スカパーJSATと伊藤忠商事が、カタール環境省に対し、SAR衛星画像を活用した海上オイル漏れ検知サービスの提供を開始したことを発表しました。
伊藤忠商事は、2017年にスカパーJSATと共同でOrbital Insightと衛星画像解析データの日本国内での代理店契約を締結、2019年にSpire Globalに出資し、日本及び東南アジアにおける衛星取得データおよび関連サービスの販売代理店契約を締結、2021年にインフォステラと資本業務提携を発表するなど、宇宙関連事業に注力している企業です。
同サービスは、スカパーJSATの提携先である衛星事業者大手のKongsberg Satellite Services AS(KSAT)およびKSATのパートナーが保有する地上局にて取得したSAR衛星画像を用いて、海上のオイル漏れを検出します。
KSATはオイル漏れ検知サービスを提供しています。KSATのオイル漏れ検知サービスをベースに、スカパーJSATと伊藤忠商事はカタール環境省の要望を汲み取り、SAR衛星画像と船舶から発信されるAIS(船舶自動識別装置)情報と組み合わせて解析し、オイル漏れのあった船舶を特定することが可能です。
カタールは多国籍船舶が多く航行するペルシャ湾沿岸に面しています。オイル流出対応策を長年検討しており、環境保護の観点からも、船舶から漏れ出したオイルを沿岸部への着岸前に可能な限り早く検知し対処することが重要だといいます。
スカパーJSATと伊藤忠商事は、今後も海上オイル漏れ検知サービスを継続的にカタールへ提供することに加え、同様の需要がある海域の国や企業でも利用できるように展開し、海洋環境保全に貢献していく考えです。