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IBM、NASAの衛星データから構築した地理空間基盤モデルをAIプラットフォーム「Hugging Face」で公開【宇宙ビジネスニュース】

【2023年8月7日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

8月3日、IBMはNASAの衛星データから構築したwatsonx.ai地理空間基盤モデルを、オープンソースAIプラットフォーム「Hugging Face(ハギングフェイス)」上でオープンに利用可能にすることを発表しました。

IBMは、NASA とのSpace Act Agreementの一環で、2023年初めに地理空間データのAI基盤モデルの構築に着手。2月には、衛星画像の分析を高速化し、科学的発見を促進するAIモデルを構築するためにNASAとの協業を開始することを発表していました。

IBMとNASAが共同開発した地理空間基盤モデルは、米国本土の1年間にわたるHarmonized Landsat Sentinel-2データを使って学習され、洪水や火事の焼け跡のマッピング用にラベル付けされたデータでファイン・チューニング(微調整)されました。

この基盤モデルは、最先端の技術に比べて半分の量のラベル付けされたデータを使用しても、15%の改善を実証しています。さらに微調整を加えれば、森林伐採の追跡、農作物の収量予測、温室効果ガスの検出と監視などのタスクに基盤モデルを再展開することができます。また、IBMとNASAの研究者はマサチューセッツ州のクラーク大学と協力して、このモデルを時系列セグメンテーションや類似性研究などにも適用させています。

Hugging Faceとは、AI開発者や研究者がモデルを共有するハブとして利用されているプラットフォームです。2022年9月時点では、1万社以上の企業が利用し、10万件の学習済みモデルと1万件のデータセットが公開されています。

今回、地理空間基盤モデルをHugging Face上で公開した狙いを、IBMは「地理空間基盤モデルを手軽に利用できるようにすることで、AIへのアクセスと応用の民主化を進め、気候変動などの自然科学と地球科学における新たなイノベーションを生み出すことができます」と説明しています。

また、IBMは地理空間基盤モデルの商用バージョンを2023年後半に「IBM Environmental Intelligence Suite(EIS)」を通じて提供開始する予定だと言います。

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参考

IBMとNASA、Hugging Faceで最大の地理空間基盤モデルをオープンソース化

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