巷で見つけた衛星データの可能性5選と第1回「#衛星データ使えそう」アイデア募集!

宙畑では「宇宙データ使ってみた-Space Data Utilization-」と題して衛星データ利用のチャンスを見つけては実際に衛星データを確認し、ときには解析まで手を伸ばす連載を更新中です。

”衛星データ使ってみた”   Image Credit:sorabatake

これまでは「桜の開花情報は探せるのか」「綺麗なビーチを見つけたい」「貨物船衝突のオイル漏出を確認できるのか」など、季節やニュースに合わせた内容が多め。

ただ、衛星データ利用の可能性は案外日常生活に潜んでいるのかも?との考えから、普段の日常生活に潜む衛星データ利用の可能性を宙畑編集部で集めてみました。

本記事ではその結果のご報告と、読者の皆様のアイデアもぜひお伺いしたいとツイッターのハッシュタグ「#衛星データ使えそう」にてアイデア募集を告知します。

応募いただいたアイデアは、宙畑編集部で協議の上、記事に掲載させていただきます。もしかしたら実際にどこまでできるのかチャレンジさせていただくかもしれません。アイデアのご応募をお待ちしております!

   
【目次】
(1)宙畑が見つけた「#衛星データ使えそう」
(2)第1回「#衛星データ使えそう」の募集について
(3)アイデアの種その1:衛星データで分かること
(4)アイデアの種その2:すでに存在する衛星データ利用事例10選
(5)アイデアの種その3:衛星データ×IoTの可能性

   

(1)宙畑が見つけた「#衛星データ使えそう」

さっそくではありますが、宙畑編集部が日常生活で見つけた「#衛星データ使えそう」をご紹介してまいります。
   

■雑草の生育状況

”雑草を衛星から見る”   Image Credit:sorabatake

衛星から雑草が見れるの?と思われるかもしれませんが、「衛星データだけでグランドスラムのテニスコート素材を当てる!」で紹介しているように、衛星データでは植生の分布状況や活性度を把握することができます。

雑草の生育具合が分かると何が良いのでしょうか。

たとえば、不動産管理会社が管理している空き地・空き家で育った雑草に困り、草むしりのアルバイト求人を出しています。今後も増えそうな求人です。

そこで、衛星データを使えば、従業員が直接その場を訪れずとも管理している複数の土地の草むしりのタイミングを最適化することに役立てることができるでしょう。

また、雑草があるということは、人の手が入っていない土地ということ。空き地・空き家を判断するための材料としても役立ちそうです。

   

■駐車場の車からマンションに住む家族構成を推測

”車で家族構成を推測”   Image Credit:sorabatake

衛星画像から車の大きさが分かるのか?という疑問についても「人工衛星から人は見える?~衛星別、地上分解能・地方時まとめ~」でご紹介しているように、1枚100万円のお金を払えば人間が分かるほどの高解像度の衛星画像を購入することができます。

つまり、お金さえあれば車の大きさを把握することは容易にできそうです。ただし、よほどのお金を持っていなければ日本全国のマンションを調べることはできそうにないというのが現状です。

衛星画像の購入金額についてはぜひ「日本全域で0円~38.87億円!? 衛星画像・データの価格まとめと今後の展望」をご覧ください。

   

■サーファーの数を見て空いている海を見つける

”サーファーの数を数える”   Image Credit:sorabatake

広い海、できることならば独占したい! その思いを叶えるために1枚100万円の衛星画像を購入するのは少し気が引けますが……衛星から人を確認することはできるので、何曜日のこの海は人が少ないということについては、お金を出せば調査可能です。

しかしながら、混雑状況を把握する方法は衛星だけではなくSNSや公式サイトで混雑状況を確認できならば、無理に衛星を利用する必要はありません。

コストと精度のバランスを考えて衛星データをご利用いただければと思います。
   

■駐車場の広さから車社会か否か予測

”駐車場の広さ”   Image Credit:sorabatake

筆者は熊本出身なのですが、あらためて東京都と熊本県の小売店の駐車場の広さの違いに驚きました。車社会かどうかはある程度予測が立てられるかもしれません。旅行に行く際の参として、筆者は運転免許を持っていないので非常に重要なポイントです。

駐車場ネタといえば、2013年に設立された衛星データ解析企業Orbital Insightが、スーパーマーケットの駐車場に停まっている車の数から、そのスーパーの売り上げ予測を行ったというは衛星データ利用の代表例があります。

最近は「週刊宇宙ビジネスニュース10/22~10/28」でもご紹介したとおり、さらに衛星データ利用スタートアップに宇宙ビジネスの投資が加速しているようです。

   

■崩れた石垣・土砂崩れを検出

”熊本城の石垣”   Image Credit:sorabatake

もうひとつ熊本のお話を。崩れた石垣も衛星データを利用すれば分かります。災害時にどの地点を優先的に救援すべきかなど、離れた場所から広範囲に現場の状況を把握できる衛星データに期待が集まっている分野です。

また、合成開口レーダー(SAR:Synthetic Aperture Radar)という電波を使うセンサを用いると、上空に雲があっても地上の状況を把握することができるため、地震だけでなく豪雨の際にも衛星データは有用です。

現在「土砂崩れをいち早く発見! 賞金総額200万円の衛星データ解析コンテスト始まる」でご紹介している通り、熊本地震前後の衛星データを利用したコンテストが開催中。

今後さらに衛星データ解析の精度が高まり、今後の自然災害でひとりでも悲しむ人が少なくなることを期待しています。

以上、5つの衛星データ使えるのでは?という事例をご紹介しました。今回だけでも離れた場所で広範囲ということは共通の上で、「植物の分布や活性度が分かる」「お金を払えば人も分かる」「天気に関係なく地上の状態を把握できる」という衛星データの利点をご紹介しました。

そして衛星データで分かることは他にもたくさんあります。ぜひ本記事の最後までご覧いただき、衛星データ利用について妄想してみてください。そして「#衛星データ使えそう」にてTwitterにアイデアを投稿いただけますと幸いです。
   

(2)第1回「#衛星データ使えそう」の募集について

「あ、これ衛星データ使えるかも!」と思いついたことがあれば、ぜひTwitterで「#衛星データ使えそう」へおよせください。

2018年11月30日(金)を締切として、12月に皆様から寄せられたアイデアをご紹介させていただきます。

また、ご紹介いただいたアイデアで宙畑編集部が盛り上がり、実際に解析まで宙畑が行って記事にさせていただく可能性がございます。

皆様の投稿をどしどしお待ちしております!

以下、衛星データについて簡単に3つほどまとめておりますので、読者の皆様のアイデア創出の参考となりましたら幸いです。
   

(3)アイデアの種その1:衛星データで分かること

”衛星データで分かること”   Image Credit:sorabatake

衛星データでは今回ご紹介した以外にも地上や海面の温度データや空気中の粒子、そして二酸化炭素濃度といった大気の状態も把握することができます。

宙畑内の最も長い記事「衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~」でまとめておりますので、お時間あるときにご覧いただけますと幸いです。

また、上記記事にも登場しますが、衛星の解像度別にはざっくりと以下のようなものが確認できます。同じくらいの大きさのものでピンとくるものがあればぜひ投稿をお願いいたします。

”解像度別に分かること”   Image Credit:sorabatake

   

(4)アイデアの種その2:すでに存在する衛星データ利用事例10選

2つ目のアイデアの種は既存の衛星データ利用事例です。ひとつひとつ詳細にご紹介すると長くなってしまうため、箇条書きで以下ご紹介いたします。

・天気予報・豪雨予測
・農作物の生育予測
・森林の違法伐採の監視
・海面温度から魚の魚群位置予測
・特定の土地・国の夜間光の時系列からGDPを推測
・災害後の被害調査
・原油タンクの原油貯蔵量調査
・北極海航路の監視
・ソーラーパネルの有無確認
・自動車の輸出台数調査

以上、かなり簡単にご紹介しましたが、実際に宙畑で衛星データを使ってみた連載「宇宙データ使ってみた-Space Data Utilization-」もぜひご覧いただけますと幸いです。
   

(5)アイデアの種その3:衛星データ×IoTの可能性

最後に、衛星データの利用アイデアを募集しておきながらで矛盾しているように感じるかもしれませんが、衛星データだけではなかなかビジネスにならないと気づき始めたのが昨今のトレンド。

衛星データはビッグデータのひとつとして、あらゆる分野でマクロなデータとして活用できるということに強みがあることは間違いありません。

その上で他のどのようなデータと組み合わせるかが重要です。

たとえば、川に設置されたIoT水位計。災害が起きた時に今までは地方自治体の職員が川の水位を見に行っていたところ、IoT水位計を設置した川は、行く必要がなくなりました。

しかしながら、IoT水位計はすべての川に設置されているわけではありません。そこで、IoT水位計が設置されている川の水位と衛星から取得できるマクロなデータを特定の川だけでも相関性を見つけることができれば、今後IoT水位計を設置する川には必要以上に設置するコストを抑えることができるかもしれません。

このように、ミクロに見ているデータとマクロなデータの相関性を見つけることができれば、膨大なミクロのデータを新たに解析する必要がなくなり、データ全体としてはデータの取得コストが下げることができます。

また、今までデータが無かった領域について推測することもできるようになります。

繰り返しになりますが、衛星データはそれだけで役に立つケースはそこまで多くありません。そのほか様々なミクロデータと掛け合わせてその価値がより高められるものなのです。

ぜひ地上データ×衛星データの観点でも、皆様の楽しいアイデアを「#衛星データ使えそう」にて投稿いただけますと幸いです。

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