フィンランド発のSARベンチャーICEYEが米国アーバインに製造拠点を開設【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/4/12〜4/18】
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4月15日、フィンランドに拠点を置くSAR衛星事業者のICEYEは、“第2のシリコンバレー”と呼ばれる、米国・カリフォルニア州アーバインに製造拠点を開設したと発表しました。
ICEYEは2014年創業のベンチャー企業。小型SAR衛星18機によるコンステレーション構築を計画していて、民間企業としては9機を打ち上げています。解像度25cmを達成し、技術力の高さでも注目されています。
本格的な米国市場進出を目指し、2020年2月に米国オフィスを開設する構想を発表していました。プレスリリースによると、同年の契約額は、2019年の10倍に当たる5,000万ドル(約54億円)に上ったとのことです。2021年には、10機の衛星を打ち上げる予定です。
さらに、ICEYEは2021年半ばまでに、米国の東海岸と西海岸にも営業拠点と見られるオフィス開設する計画をプレスリリースで明らかにしました。衛星の機数が増えて撮影の頻度が増えてきているこのタイミングで、顧客の獲得・ニーズの拡大に力を入れるねらいがありそうです。
SARデータは防災や監視など様々な分野にいかに顧客のニーズを捉えて、サービスに反映していけるかどうかが今後の事業拡大の鍵となるのではないでしょうか。
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参考
ICEYE Reports Contracts Valued at $50M in 2020 and Announces New Launches to Meet Growing Demand
ICEYE Unveils 25 cm SAR Imaging Capability with Current SAR Satellite Constellation