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アストロスケールが模擬デブリの捕獲に成功。衛星センサや地上システムの動作確認も【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/8/23〜8/29】
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8月25日、スペースデブリの除去サービス提供に向けて衛星の製造・開発を行うアストロスケールが、2021年3月に打ち上げられたデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」の実証において、模擬デブリの捕獲を成功させました。
デブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」のミッションは、捕獲機と模擬デブリの距離を徐々に離しながら回収し、最終的には大気圏に再突入させるというものです。
今回行われたのはフェーズ3a。センサの動作確認や地上システムの動作、運用手順の有効性が確認されたのに加え、機能が停止した衛星を「ELSA-d」の捕獲機が捕獲できること証明されました。
これに対して、アストロスケールの創業者兼CEOの岡田光信氏は、このようなコメントを発表しています。
「宇宙空間でランデブ・近傍運用(RPO)と捕獲に関するすべての技術を検証する第一歩として、大きな成果を上げることができました。捕獲機構の機能を証明することができたことを大変嬉しく思います。分離と再捕獲を実証したことは、複数デブリ除去技術の礎にもなります。宇宙の持続利用に向けて大きな扉を開きました」
現在は、次のフェーズ3bで行う捕獲機の自律制御機能を用いての模擬デブリへの接近および捕獲の実証に向けての準備を進めているとのことです。
軌道上での非協力ターゲットへのランデブ・近傍運用(RPO)・捕獲の成功は、スペースデブリ除去をサービスとして提供しようとしている同社にとってだけでなく、スペースデブリ問題に関して取り組む各社・各国にとって大きな一歩です。この先のフェーズの成功にも期待が集まります。
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