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Astra初の商業打ち上げはメインエンジンのトラブルで失敗【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/8/23〜8/29】

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Astra初の商業打ち上げはメインエンジンのトラブルで失敗

小型ロケット開発企業のAstra Space, Inc.(Nasdaq: ASTR)が、8月28日に試験飛行に挑戦しましたが失敗しました。今回のロケットはRocket 3.3(LV0006)と呼ばれるシリーズで、2020年12月の試験飛行時の機体を改良したものになります。

今回の打ち上げの動画は以下から視聴可能です。

今回の打ち上げでは、エンジン点火後、水平方向に10秒ほどドリフトしたのち、ゆっくりと上昇を開始しました。このような挙動になった原因としては、エンジン点火1秒後に5基あるメインエンジンのうち1基が停止したことによるとのことです。

Rocket 3.3はその後高度約50kmまで上昇しましたが、打ち上げの約2分30秒後に飛行経路を逸脱したことで全エンジンの停止コマンドを出しミッション終了となりました。

Astraの創業者兼CEOであるChris Kemp氏は、今回の打ち上げについて以下のコメントを出しています。

We regret that we were unable to accomplish all mission objectives for the U.S. Space Force; however, we captured a tremendous amount of data from this test flight. We will incorporate learnings from this test into future launch vehicles, including LV0007, which is currently in production.
(訳:米国宇宙軍のミッションをすべて達成できなかったことは残念ですが、今回の試験飛行では非常に多くのデータを取得することができました。今回の試験で得られた知見を、現在製造中のLV0007を含む将来のロケットに反映させていきます。)

Astraは2回目となる2020年12月の試験飛行にて宇宙空間には到達しましたが、衛星軌道投入速度がわずか0.48km/s足りませんでした。3回目となる今回の試験飛行は、米国宇宙軍と契約していた、Astraにとって初の商業打ち上げとなる予定でしたが、次回に持ち越しとなりました。

Astraは連邦航空局(FAA)と連携し、今後事故調査を行っていく予定です。

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