ハイパースペクトル衛星を開発するKuva Spaceが約5.5億円の資金調達を発表【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/4〜10/10】
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ハイパースペクトル衛星を開発するKuva Spaceが約5.5億円の資金調達を発表
フィンランドの衛星ベンチャー企業であるKuva Spaceが、シードステージの資金調達を発表しました。今回の資金調達では、Voima Ventures・Nordic FoodTech VC・ESA InCubed programme・VTT Technical Research Centreから420万ユーロ(約5.5億円)を調達しました。
Kuva Spaceは、ハイパースペクトルセンサを搭載した地球観測衛星を開発しています。ハイパースペクトル技術と高精度なAI技術を組み合わせることで、気候や農業などの影響を把握し地球上の生活を改善するのがKuva Spaceのビジョンです。
宙畑メモ:ハイパースペクトルセンサ
ハイパースペクトルセンサとは、通常の光学センサと比較してより細かく観測波長を分割し、細かい波長ごとのデータを取得することが可能なセンサです。
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今回獲得した資金を活用してKuva Spaceは、400~1,100nm帯の波長の画像を収集する6Uキューブサットのコンステレーションを構築する予定です。将来的には、400~2,500nm帯の波長の画像まで観測可能になる計画です。
Kuva SpaceのCEOであるJarkko Antila氏は以下のコメントを出しています。
With our daily, global service, farmers have the opportunity to access relevant, cost-efficient information on their fields and guidelines to optimize their growing conditions and use less land to grow more crops.
(訳:私たちが提供するグローバルなサービスを活用して、農家の方々は栽培条件を最適化し、より少ない土地でより多くの作物を育てるために、適切で費用対効果の高い情報にアクセスすることができます。)
今年の7月に上場を発表したSatellogicやインド発ベンチャーのPixxelを始め、近年注目を集めているハイパースペクトルセンサの技術。独自のハイパースペクトルセンサ技術を搭載した小型衛星を開発するKuva Spaceの今後の取り組みが楽しみです。
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