Redwireが8社目の買収。新たに傘下に入るバイオテック企業Techshotと軌道上宇宙製品の製造の拡大へ【宇宙ビジネスニュース】
【2021年11月8日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
Redwireが8社目の買収。新たに傘下に入るバイオテック企業Techshotと軌道上宇宙製品の製造の拡大へ
軌道上サービスに関する企業を次々に買収し多角化経営を進めているRedwire Corporation (NYSE: RDW)が、バイオテック企業であるTechshot, Inc.を買収したと発表しました。
Redwireは、2020年に宇宙に特化した※PEファンドであるAE Industrial Partnersが立ち上げ、7社の宇宙企業を買収してホールディングス戦略をとってきたベンチャー企業です。
(※PEファンドとは、VCと異なり、成長フェーズを過ぎ確実なキャッシュフローを生んでいる企業に投資を実行し、単独で経営権を所有しながら高い内部収益率を獲得する投資ファンドです。)
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1988年の創業以来、Techshotは宇宙における生物学・物理学研究の最前線に立ってきました。これまでに十数台の生物学研究装置を開発し、そのうち4台が現在国際宇宙ステーション(ISS)で運用されています。代表的な製品として、微小重力下で人体組織を製造できる米国初の研究装置である、3D BioFabrication Facilityや、軌道上でX線撮影を行い骨粗鬆症や筋萎縮症の新しい治療法の研究に使用されているBone Densitometerなどがあります。
2021年10月には、Blue OriginやSierra Space等と一緒に商業宇宙ステーション”Orbital Reef”の開発に取り組むと発表しているRedwire。今後の有人宇宙開発の持続可能性に大きく貢献する技術を有するTechshotの買収は、軌道上サービスを展開していくRedwireの価値を更に向上させると期待されています。
Orbital Reefの紹介動画は以下から視聴できます。
今回の買収に関して、Techshotの共同創業者のJohn Vellinger氏は以下のコメントを出しています。
As part of Redwire, we now have more of the resources we need to help accelerate the development of our growing portfolio of new space biomedical technologies, while we continue to provide great service to our research and deep space exploration customers.
(訳:Redwireの一員となったことで、当社の成長する宇宙生物学技術の開発を加速させるために必要なリソースをより多く得ることができました。私たちは今後、深宇宙探査に取り組むクライアントに素晴らしいサービスを提供し続けていきます。)
今回で8社目の買収となるRedwire。2021年9月にニューヨーク証券取引所への上場も完了し、更なるサービス拡大が期待されます。
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