国内宇宙ベンチャー最大規模。デブリ除去サービスを目指すアストロスケールが124億円を調達【宇宙ビジネスニュース】
【2021年11月29日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
11月25日、スペースデブリ除去サービスの提供を目指すアストロスケールがシリーズFラウンドで約124億円を調達したと発表しました。これは同社の調達額としては過去最大で、累計総額334億円の資金調達を達成したことになります。
出資したのは、THE FUND投資事業有限責任組合や日本グロースキャピタル投資法人、イギリスのSeraphim Space Investment Trust(セラフィム・スペースインベストメント・トラスト 以下Seraphim)、フランスのDNCA Invest Beyound Global Leadersらです。
Seraphimは宇宙分野に特化したベンチャーキャピタルで、今年ニューヨーク証券取引所に上場したSpire Globalや宇宙状況把握サービスを提供するLeoLabs、商用電波観測衛星を運用するHawkEye 360などに出資しています。
Seraphim CEOのマーク・ボゲット氏は、アストロスケールの資金調達に寄せて発表したコメントのなかで、スペースデブリ除去の市場が数千億円規模に成長すると考えていることを示しました。
「宇宙環境を保護するために、規制と自主規制をしっかりと軌道に乗せ、今こそが今後数十年で何十億ドル(数千億円)にも値するこの新興市場に投資する最適な時期であると信じています。」
アストロスケールは、今回調達した資金を技術開発や施設の拡張、グローバルな採用に活用するとしています。
2021年3月に打ち上げられたデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」の実証が着々と進むなか、本格的なサービス開始に向けての体制構築が急ピッチで進められているように見えます。