Starlinerが2回目の無人軌道飛行実験によりISSへのドッキングに成功【宇宙ビジネスニュース】
【2022年5月23日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
Starlinerが2回目の無人軌道飛行実験によりISSへのドッキングに成功
Boeingが開発した新型宇宙船CST-100 Starlinerが、ULA(United Launch Alliance)のAtlas Vで打ち上げられ、5月20日にISS(国際宇宙ステーション)とのドッキングに成功しました。今回のミッションは2回目の無人軌道飛行試験(OFT-2)であり、StarlinerがISSにドッキングするのは今回が初めてです。
Starlinerは、NASAのCommercial Crew Programに、SpaceXのCrew Dragonと同時に採択された民間の宇宙船です。2019年12月にはStarliner初の無人軌道飛行試験(OFT)が実施されましたが、ソフトウェアの問題で軌道投入に失敗。2021年8月に2回目の試験が実施される予定でしたが、推進システムに不具合が見つかり打ち上げが延期されていました。
The @BoeingSpace #Starliner crew ship completed its trip to the station when it docked to the Harmony module's forward port at 8:28pm ET today. More… https://t.co/RgllPL4Uiu pic.twitter.com/0uxslOk0Mn
— International Space Station (@Space_Station) May 21, 2022
今回のStarlinerには、ISSに運搬する物資が約220kg搭載されており、乗客席には、宇宙服のマネキンと、宇宙シミュレーションゲームKerbal Space Programに登場するキャラクターのJebediah Kermanが搭乗していました。
今回のミッションでは、打ち上げ直後の軌道投入時に12個搭載されている姿勢制御スラスタのうち2個が停止するトラブルが発生しましたが、冗長システムが機能したことで問題は無かったとのことです。
StarlinerはISSに数日間留まり、5月25日にISSとのドッキングを解除し地球へ帰還する予定です。既に宇宙飛行士の輸送に活用されているSpaceXのCrew Dragonに続き、民間による有人飛行を実現することができるか今後の試験結果に注目です。
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参考記事
Boeing’s Starliner Docks to Station for Cargo and Test Ops
Starliner Docks to the International Space Station for the First Time
Station Crew Opens Boeing Starliner Hatch, Enters Spacecraft