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DATAFLUCTが衛星データ分析による水田マッピングのアルゴリズムを開発。水田由来のメタン排出量削減に貢献【宇宙ビジネスニュース】

【2022年8月1日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

DATAFLUCTが衛星データ分析による水田マッピングのアルゴリズムを開発。水田由来のメタン排出量削減に貢献

データサイエンススタートアップとして企業と社会の課題解決に取り組むDATAFLUCTが、衛星データ分析による水田マッピングおよび稲作状況を推定するアルゴリズムを発表しました。DATAFLUCTは、国立環境研究所から依頼を受けて、地球温暖化に及ぼす影響が大きい温室効果ガスの一つとして位置づけられているメタンの吸収・排出量を正確に把握する取り組みを進めています。

水田の土壌中には、酸素が少ない条件で活性化するメタン生成菌が存在し、稲や藁、土壌に含まれる有機物を分解しメタンを発生させます。水田の状況を把握することで水田由来のメタンガスの吸収・排出量の把握を目指します。

水田マッピング

今回発表したアルゴリズムは、2021年4月にフェーズ1として発表した衛星データ分析による水田域のモニタリングの改良モデル(フェーズ2)になります。

フェーズ1で開発した水田マッピングモデルを、ディープラーニングの手法の一つであるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を活用することで、フェーズ1の空間分解能350mから250mmに精度向上を実現しました。これにより、既存の広範囲の水田マップのなかでも高分解能な水田マップとなっています。

アジアモンスーン地域の水田マップ。緑色の部分が水田を表す。 Credit : DATAFLUCT

稲作状況を推定する稲作カレンダー

また、SAR衛星画像から取得した後方散乱係数(VH:レーダーより照射され、アンテナに戻ってくるマイクロ波の強度)と、光学衛星画像から取得したEVI(強調植生指数)及びNDYI(正規化差分黄色指数)の時系列データを用いて、稲の移植日と収穫日を推定する稲作カレンダーを開発したことも合わせて発表しました。

衛星データを活用することで、メッシュ間隔0.5°×0.5°のより細かい稲作カレンダーを開発し、1期作のみならず2/3期作の水田にも対応しているとのことです。

稲作カレンダーの一部。画面左上部は作付け期間のリスト、円グラフはメッシュ内の水田割合、メッシュ上の色は作付け回数を示す。 Credit : DATAFLUCT

さらに、DATAFLUCTは、100%出資の子会社としてシンガポールにDATAFLUCT International Pte. Ltd.を設立したと発表しました。データ活用サービスのグローバル展開のほか、高品質・高速なオフショア開発の実現を狙います。

様々な社会課題に対してデータサイエンスで挑戦しつつ、海外展開も進めるDATAFLUCTに引き続き注目です。

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