2028年に月面基地建設、アメリカの動向に垣間見える人類宇宙進出の加速【週刊宇宙ビジネスニュース 2/11~2/17】
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宇宙開発の動向について、「いつまでに、どの国が、何をやるのか」を追いかけると、人類の宇宙進出が早まっているように感じます。
冷戦時代にアメリカとロシアの宇宙開発競争により、宇宙開発の進歩が早まったことと同様のことが、今まさに起きているのです。
そのトリガーの一つといっても過言ではないのが、中国が昨年に打ち上げた月面探査機(嫦娥4号)が見事月面裏側へと人類で初めて着陸したことでしょう。
■2028年までに人類が滞在できる月面基地完成を目指す
2019年2月14日、アメリカは月探査計画を早め、2019年の終わりまでに民間による月面着陸船のミッションを行い、最終的には2028年までに月面基地を作り、人類を滞在させる計画を発表しました。
ソ連の宇宙飛行士ガガーリンが、人類史上初の有人宇宙飛行を成功したことを受けて、アメリカのアポロ計画に火がついた歴史を思い出します。
当日は以下のようなスライドとともに計画についての発表があったようです。
■人類が宇宙進出するための準備も進めるアメリカ
さらに、アポロ17号ミッションでの着陸から74時間59分40秒の滞在が月面滞在最長記録でしたが、滞在となるとさらなる記録更新が見込まれます。
人類が地球外に住むということについては、以前から様々な国が健康被害の研究を進めており、NASAも例外ではありません。
例えば、NASAは双子の遺伝子検査(一方が宇宙滞在、もう一方が地上滞在で遺伝子検査)を行うなどして、研究を進めており、その結果がもうすぐ論文として発表されるようです。
※宇宙に行くと遺伝子に変化があるのか、インフルエンザの予防接種を打つとどうなるのか…、宇宙での住環境は二酸化炭素濃度が上がりがちで、そのストレスはどの程度なのか……など。
■有人宇宙船を渇望するアメリカ
一方で、2月15日にはISSへの現存する唯一の宇宙飛行士輸送手段であるソユーズロケットの切符を2人分追加購入したというニュースもありました。
現在ISSへ宇宙飛行士をアメリカ独自でも輸送する手段を確立するため、SpaceXとボーイングの2社と新たな輸送船開発を進めていながらも、計画の遅れが背景にあるようです。
このように、万が一に備えたアメリカの焦りも垣間見えますが、我先にと野心的な計画がどんどん発表される中で、各国が刺激を受けながら、宇宙開発が加速化しているのは間違いないでしょう。
スマホ画面で、月面で撮影された動画を見る未来はそう遠くないかもしれません。
※そのときにはスマホというものがなくなっている可能性も大いにあり得ますが……
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