2019年中に一般人への有人宇宙旅行ツアー提供開始の見込み【週刊宇宙ビジネスニュース 2/18~2/24】
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2/22、Virgin Galactic社のSpaceShipTwoが再び到達高度80kmを超え、宇宙への飛行に成功させました。2018年末の飛行時はパイロット2名だけでしたが、今回は宇宙飛行士インストラクターを取りまとめているBeth Moses氏も合わせて搭乗しました。
一般人を乗せる宇宙旅行ツアーに向けて、乗客に指導するインストラクターに搭乗させており、サービスインを見据えて着々と準備が進んでいる様子が見て取れます。
アポロ11号着陸50周年となる7月に、一般人を乗せた飛行を試みている同社ですが、それまでにも数度は飛行試験を行う予定だそうです。
推測ですが、医療従事者と広報担当者、サブのパイロットが搭乗すれば、ひとまずサービスインに向けて搭乗が必須な人は乗り切ったことになるのでしょうか?
このように順調にサービスインに向けて進んでいる同社に対して待ったをかけたのがBlue Origin社のJeff Bezos氏です。
同社は無人での飛行を何度も繰り返し、その到達高度は100kmを超えています。カルマンラインと呼ばれる100kmが宇宙と地上の境界であると一部では言われていることもあり、80km程度までしか到達していないVirgin Galactic社のサービスは、宇宙旅行としては不十分なのでは?と疑問を投げかけているのです。
「有人宇宙旅行は競争でやることではない」、とあくまで自分たちのサービスインまでのスケジュールをキープしようとしていますが、Virgin Galactic社の進捗状況に影響は少なからず受けているかもしれません。とは言え、非常に高い安全性が求められている有人宇宙分野においては、検証すべきことを検証しきることは必須です。
Blue Origin社も今年中に一般への宇宙旅行提供を開始する、と発表したこともあり、両社がどのようにサービス提供していくのか、そして第三の企業が現れるのか、というのも楽しみなポイントです。
なお、両社は宇宙に到達後に地上に戻ってくるサブオービタル飛行での宇宙旅行の形態となりますが、SpaceX社やBoeing社は民間として国際宇宙ステーションへと宇宙飛行士を運ぶことを2019年中に行おうとしています。民間人が民間の宇宙船に乗って宇宙に観光として滞在する、という日も案外すぐに来るかもしれません。
なお、1月に打ち上げ予定であったSpaceXの有人宇宙船の無人デモ飛行は、3月2日に再設定されたようです。こちらもどうなるか、楽しみなところです。
人が宇宙に行くようになると、その分様々なサービスが必要になります。
宇宙産業拡大に向けて、2つ重要なことを挙げるとすれば、1つは衛星データの利活用促進、もう1つが今回話題の人が宇宙へ行くようになること、つまりは有人宇宙分野のサービス化です。
海外では利用促進に向けたプログラムが先行して展開されていましたが、日本でもTellusを通して衛星データ利活用促進の仕掛けが2019年より始まりました。有人宇宙分野についても同様に、民間によるサービスインを迎える2019年が一つ大きな転換期となりそうです。
いずれもサービスも、今まで宇宙分野に参入してこなかった企業の参入が促進することが期待されており、来年以降の業界地図がどのように変化するのか、今から楽しみでなりません。
今週の週刊宇宙ビジネスニュース
中東のシリコンバレー、イスラエル、民間初の月面探査へ一歩【週刊宇宙ビジネスニュース 2/18~2/24】
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参考記事
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