世界初、民間人だけの地球周回旅行「Inspiration4」が帰還。小児病院への寄付額は170億円超え【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/9/13〜9/19】
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民間人4人を乗せたSpaceXの有人宇宙船「Crew Dragon」が9月15日に打ち上げられ、3日間地球を周回した後、18日に帰還しました。
「Inspiration4(インスピレーション4)」と名付けられた今回のフライトは、船長として搭乗したShift4PaymentsのCEOジャレッド・アイザックマン氏が、セント・ジュード小児研究病院への寄付を募る目的で企画したものです。SpaceXによると19日の時点で、約1億5400万ドル(約170億円)の寄付金が集まっています。
搭乗者が民間人だけで構成された宇宙飛行は世界初。まさに、民間人の民間人による民間人のための宇宙旅行です。
また、今回設置された窓は、宇宙船の中では最大のサイズでした。これは、通常の宇宙飛行士をISSへ輸送するフライトで用いるドッキング機構が必要なかったため、その部分を利用して実現されたものです。
さらに、Inspiration4ではアメリカでの宇宙飛行経験者の最年少記録更新、黒人女性としては初のパイロット、義手をつけた人の初の宇宙飛行など、様々なの記録を生み出しました。
宇宙飛行大手動画配信サービス「Netflix」が公開した、4人の訓練の様子をドキュメンタリー映像も話題の火付け役となったのではないかと考えられます。
2021年12月には、前澤友作氏のISS滞在が予定されています。7月に行われたVirgin GalacticとBlue Originの有人サブオービタル飛行を皮切りに、一気に現実味を帯びてきた宇宙飛行。各社の戦略や価格変動に一般消費者からの注目も集まるのではないでしょうか。
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参考
Inspiration4 Crew Launches First All-Civilian Orbital Mission to Space