Space BD、芸術家のアート作品をISSの設備で宇宙空間にさらす計画を発表。地球帰還後はNFT化する予定も【宇宙ビジネスニュース】
【2023年1月30日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
1月27日、宇宙商社として衛星の打ち上げサービス等を手がけるSpace BDが、世界的に活躍するアーティストMasa Hayamiさんのアート作品を2023年度内に宇宙に打ち上げる計画を発表しました。
Masa Hayamiさんは、禅や東洋思想を取り入れ、絵画、ドローイング、写真、3Dアプローチ、デジタルアート、手や体を使ったパフォーマンスアートなど、幅広い学際的芸術の実践・活動を行う芸術家です。
プレスリリースによると、アートの力で新しい未来を力強く発信し続けるMasa Hayamiさんの姿勢と、Space BDが目指す「日本発で世界を代表する産業と会社をつくる」ビジョンが共鳴したことから、今回のコラボレーションが実現したということです。
Space BDは、国内外の研究機関や教育機関、企業から集めた、研究用素材、写真、イラストなどをISSに輸送し、日本実験棟「きぼう」の中型曝露実験アダプタ (i-SEEP)に搭載する新たな簡易材料曝露実験ブラケット(ExBAS)を活用して宇宙空間に曝露する「スペースデリバリープロジェクト ~RETURN to EARTH~(以下スペースデリバリープロジェクト)」を2021年8月に発表しました。
2022年2月には、損害保険ジャパンの公式キャラクターを印刷したアルミ板などを含む、スペースデリバリープロジェクトの第一弾対象品打ち上げられました。
今回のプロジェクトも、打ち上げから地球帰還まではスペースデリバリープロジェクトを活用します。Masa Hayamiさんのアート作品は日本実験棟「きぼう」の設備を活用して、約6か月間宇宙空間に触れさせた後、地球に帰還します。さらに、宇宙に打ち上げられたという証明をつけてNFT化し展開する予定だといいます。
Masa Hayamiさんはこのように述べています。
「今回、この宇宙とアート、NFTプロジェクトのお話を頂いた時は、そのあまりにもダイナミックでスケール感が有り、また夢のあるプロジェクトに、日本人芸術家として、初めてオファーを頂いた事に、非常に光栄に感じ、感激しました」
「今回の宇宙飛行で、アートがどういう形で帰ってくるのか。またそこからの展開は……未来へ向けた、フューチャーアートの制作が今、まさに始まりつつあります」
このような取り組みは、ISSや地球低軌道の新たな利用の開拓やアウトリーチにつながることが期待されます。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
“宇宙の総合商社”ってどんな仕事?Space BDが作る未来〜前編〜
宇宙商社Space BDが資金調達10億円。SpaceXの相乗り打ち上げ枠の取り扱いを開始【宇宙ビジネスニュース】
今週の宇宙ニュース
大型ロケット「DECA」開発計画を発表。インターステラテクノロジズが再使用技術で「一桁安い価格」目指す【宇宙ビジネスニュース】
ワープスペースがドイツ発ベンチャーMynaricの光通信端末を採用。中継衛星3機に搭載予定【宇宙ビジネスニュース】
宇宙資源採掘を構想するAstroForge、小惑星を観察する宇宙機をIntuitive Machinesの月着陸船と相乗りで深宇宙へ【宇宙ビジネスニュース】
日米「宇宙協力に関する枠組協定」に署名。機関間の協力活動が迅速・効率化【宇宙ビジネスニュース】
参考
宇宙×アート×NFTの新たなコラボレーション開始 世界的に活躍するアーティストMasa Hayami氏のアート作品を2023年度内に宇宙に打上げ、地球に帰還後にNFT化予定