NASA、Blue Originら12社から16件の提案を採択。月・火星探査に向けた技術開発を促進【宇宙ビジネスニュース】
【2023年5月1日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
4月26日、NASAは月と火星を目指す技術開発に向けて、「Announcement of Collaboration Opportunity(ACO)」と呼ばれる枠組みのもと、アメリカ企業12社から16件の提案を採択したことを発表しました。採択された企業は以下の通りです。
Aerojet Rocketdyne
Blue Origin
Boeing
Canopy Aerospace
Lockheed Martin Corporation
Maxar
Phase Four
Psionic
Roccor
Sierra Space
Stratolaunch
Venturi Astrolab
NASAは今回採択した企業に対し、設備や専門知識へのアクセスを提供し、開発を直接サポートできるようになります。
ACOは2015年以来、75以上のプロジェクトを支援してきました。プロジェクトの実施期間はそれぞれ交渉されるものの、めあすは12カ月から24カ月。NASAの支援金額の総額は約1450 万ドル(約19億7000万円)です。
採択企業の一社であるPsionicは宇宙船用のLiDAR(レーザー光で物体までの距離や形状を測定する技術)を開発するベンチャー企業です。Psionicは月面着陸機のシミュレーションなどを行うNASAのラングレー研究所とともに、同社の「Navigation Doppler Lidar」を応用し、火星の風の測定を目指すということです。
NASAの Space Technology Mission Directorate (STMD) の副管理者である ジム・ロイター氏は「私たちは中小企業と大企業の両方と協力して、将来の探査のために最も重要な技術を前進させることができます」と述べています。
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参考
NASA Selects 12 Companies to Collaborate on Key Technology Development