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火星探査計画「エクソマーズ」が打ち上げ延期へ【週刊宇宙ビジネスニュース 3/9〜3/15】

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火星探査計画「エクソマーズ」が打ち上げ延期へ

3月12日にESA(欧州宇宙機関)とロシアのロスコスモスは、共同で行なっている火星探査計画「エクソマーズ(EXO MARS)」の打ち上げ時期を、当初予定していた今年7〜8月から2022年に延期することを発表しました。

打ち上げ延期の理由として、ヨーロッパの疫学的な状況の悪化が挙げられています。
ESAの発表によると、昨年5月に実施したパラシュートの高高度テストで、損傷が見つかっており、パラシュートを改良する必要がある旨が伝えられていました。

エクソマーズは、ESAとロスコスモスによる二度目の共同ミッションで、火星における生命体の痕跡を探査することが主な目的です。

火星へ到達可能な軌道の周期はおよそ2年ごと。2022年となると、火星探査を目指す民間企業が登場することも十分に考えられますし、国が主導となって取り組むプロジェクトとして、より高い成果の獲得が求められるようになるかもしれません。

ICEYEが小型SAR衛星による動画撮影機能を実証・動画公開

3月9日、フィンランドに拠点を置くスタートアップ企業・ICEYE(アイサイ)社は、米国・ワシントンで開催されたカンファレーンス「Satellite2020」にて、合成開口レーダ(SAR)衛星によって生成した、1m程度の解像度で10FPSのビデオを発表しました。

ビデオデータは、一機の衛星で20秒以上単一範囲を撮影し続けた結果を動画として編成することで生成されています。実際に撮影したエリアがどの程度の範囲かは分かりませんが、高い姿勢制御能力を有しているからこそできているものです。ICEYE社のプレスリリースによると、このビデオ作成機能を独自のハードウェアとソフトウェアを利用して開発したと発表しています。

現在はデモンストレーションとして、東京、釜山(韓国)、ヒースロー空港(ロンドン)、ラスベガス(米国)、ビンガムキャニオン鉱山(米国)のビデオが公開されています。これらの動画では、港の近くを移動する船や空港で移動する飛行機、道路を走るトラックの動きを検出できています。

同社が2月に開設した米国オフィスのCEOを務める、マーク・マトシアン博士は「ビデオ機能は分析結果を視覚的に伝達するのに役立ちます」とコメントしています。

ICEYE社は今年1月にも、違法船舶を検出することができるソリューション「DARK VESSEL DETECTION」をリリースしており、観測する衛星の機数、つまりは観測頻度も増えていきます。今後もさらなる活躍が期待されます。

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